導入事例|キリンビジネスシステム|新体制で、新たな成長と躍進を追求 情報インフラ構築も戦略的に展開

飛躍的な成長と企業価値の向上を目指す長期経営構想「キリン・グループ・ビジョン2015(略称:KV2015)」を掲げ、昨年7月に純粋持ち株会社制を導入、M&Aの積極展開などで注目が一段と高まっているキリングループ。そんな中、グループ全体のIT化戦略を推進する役割を担っているのが、キリンビジネスシステム株式会社(略称:KBS)です。もともとキリンビール株式会社でご利用いただいていた日経テレコン Knowledge Passport(以下、KP)による記事クリッピングも、グループの拡大、情報インフラの整備に伴い、閲覧可能な端末が広がりました。

KBSのご活動の様子、KP導入時のねらいなどについて同社の情報技術統轄部 ワーキングスタイル変革グループ部長 兼 SCMシステム統轄部部長付である桝田浩久様にお話を伺いました。

----御社は、グループ内で唯一の情報システム会社ですね。

 新たなグループ経営体制の発足に際し、各事業会社内には情報システム部門を設置しないというのがコンセプトでした。当社は、子会社ではなくグループ内に並列する一社であり、「機能分担会社」の一つというポジショニングで、グループ全体の情報インフラを構築するとともに、情報戦略の策定・推進、各種ユーザーサポートなどを一手に引き受けています。一般的な親会社と子会社の関係と比較すると、より業務移管がなされているとともに、権限も委譲されている点が特徴です。環境の変化へのIT面での対応や問題解決について、スピーディーな判断と施策の展開、的確な提案力を従来以上に求められますが、システムの共有、共用化やグループ他社の事例の情報収集などを横断的に進められるようになったことなどは、新グループ体制のメリットの一つといえます。

----グループが新体制に移行したことのみならず、積極的なM&Aで規模が拡大していることによって、情報インフラの整備や情報共有の適正化といった課題も、より重みや複雑さを増しているのではと思われるのですが。

 2006年に発表した長期経営構想「KV2015」では2015年を最終年度に、売上高や営業利益などの規模を現在の約2倍にする目標を設定しており、その実現に向けてグループ各社は連携を強化しています。グループ全体でのシナジー効果を最大限に発揮するためには、グループ間での情報共有が非常に重要なので、ハード、アプリケーションの両面で、セキュリティを考慮した適切な情報共有が図れる環境づくりを進めています。他社との業務提携の決定などにより、システムや情報機能の統合の必要が発生した時には、期限を区切り、スピードが勝負となります。時には、業務提携の細部がまだ決まらぬまま、システムの統合作業を先行して進めなくてはならないようなハードな局面もあります。まずは、インフラの整備が先決。インフラが整備できないと個人を特定したセキュリティー管理もできないため、あらゆる面で弊害になります。ですので、インフラを整備した上で、様々な情報共有のための仕組みを考えていくということが私たちの使命です。

 情報インフラが統一された後、真っ先に共有すべき情報カテゴリーの例としては、コンプライアンス、リスク管理、品質管理などがあります。こればかりは、各社独自というわけにはいかないので、グループとしての考え、認識、対応を早期に周知徹底できるように優先的に伝達されています。

 ポータルサイトは、各社ごとに設置していますが、デザインや主なコンテンツの基本構成などは共通の仕様にしており、必要な情報が各社内及びグループ間でやり取りされています。ポータルサイト内の情報がやや増えすぎてきたため、もう少し整理を行い必要な情報が伝わるようにすることが最近の課題です。

----2005年、キリンビール株式会社で日経テレコン Knowledge Passport(以下、KP)による記事クリッピングを導入いただきましたが、きっかけについてお聞かせ下さい。

 当時、キリンビールにおける情報戦略推進部門は、情報企画部でした。「情報コミュニケーションスタイルの変革」を目的とするプロジェクトで、ポータルの改善などさまざまな課題に取り組んでいたのですが、その流れの一環で、日経新聞などの記事クリッピングを社内で有効活用できないかということもテーマになりました。社員が朝一番に自社に関連する記事をきちんと把握しておく重要性は疑いようがありません。記事の切り抜きの回覧では、タイムリーに情報が伝わりませんし、情報が届かない可能性もあります。また、自社だけでなく、グループ会社の動向や商品についての記事をカバーすることも大事です。セールスの際には、自身の会社の商品のPR意識が先行しがちですが、取引先にはグループ全体の商品を扱っていただいているケースも多いので、商談時に重要な記事や旬な話題、新製品などについてまったく知らなかったということでは、信用、信頼が失われるきっかけになりかねません。「最低限押さえておくべき記事をITを利用してスピーディーに組織的に共有できる仕組み」を想定し、広報部門と連携、相談しながら検討することになったのですが、記事利用に当たっての著作権のクリアなどコンプライアンスも重要なポイントでした。

----検討開始から、実際に社内にリリースするまでのプロセスはいかがでしたか?

 「KPを採用することで、社内で削減できる業務は何か?コスト削減の効果は?」ということは論点になりました。利便性、一覧性などの点で新聞には新聞なりの良さがあります。KP導入の効果を掘り下げて考える必要があり、社内調整や意見交換を重ねました。KPを利用した情報提供の価値や効果は、ただ単に「コスト削減」という視点からだけではなかなか測りきれない面もあります。最終的には、コスト削減、および、情報力強化という目的と、コンプライアンスという観点が決め手となり、導入を決断しました。

 テストサイトを立ち上げての検証では、コストに目を配りながら、内容の最適化に向けてクリッピングのキーワードの調整などを慎重に進めると同時に、サイトの顔であるフロント画面の構成やデザインは、デザイン会社に外注しました。また、アクセス数をきちんと把握、分析するために、御社から提案された「アクセスカウンター」も取り入れました。

----現在の記事クリッピングサイトの内容、仕様をお聞かせ下さい。

 記事クリッピングのテーマは、「きょうの日経一面」「自社関連」「同業他社」「アルコール飲料」「食品関連」「医薬」「小売」などに加えて、「食の安全・安心」「環境」「コンプライアンス」「パッケージ関連」なども設けています。シンプルで直感的に利用できることを重視する一方、ヘルプメニューの内容も分りやすいものにしました。現在、記事クリッピングサイトは独立したサイトで、ポータルサイトからのリンクで表示するようになっています。今後は、グループ会社関連など特に重要な記事については、ポータルサイトのトップページの一部に掲載するようなことも検討したいと思っています。

----KPに対するご希望、ご要望などをお聞かせ下さい。

 クリッピングの対象媒体の拡充を希望するとともに、KPというプラットフォーム上で実現できるのかどうかは別にして、最終的に記事に盛り込まれなかった情報、記事の背景となった関連データなども合わせて入手できるようになれば、紙媒体の新聞とは差別化されたデジタル情報ならではの利用価値が一層高まると思います。更に、ビジネスの視点で、「キーパーソンが注目している記事」、「この記事を見た人はこんな記事もあわせて見ている」といった情報が表示される機能が装備されれば付加価値が高く、利用者にとって記事の見極めに役立つと思います。

 そういえば、そろそろクリッピング記事のテーマとキーワードについて見直しを図りたいと考えています。管理コンソールでの設定方法について、社内の担当者に具体的な手引きをお願いします。

----かしこまりました。本日はどうもありがとうございました。

(聞き手:営業企画グループ 杉山 秀司)

企業プロフィール

企業名キリンビジネスシステム株式会社
事業内容キリングループ企業の情報システム開発、情報システム運用、ユーザー情報活用支援
代表者長谷川 慎
本社所在地東京都渋谷区神宮前6−26−1 キリン原宿本社ビル
資本金5000万円
従業員数248名(2007年12月1日時点)
Webサイトhttp://www.kirinbs.co.jp/
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