NIKKEI Media Marketing

導入事例

導入事例 Case Study
(左)開発統括部 商品戦略室 深津 博美氏<br />
(右)営業統括部 営業推進室 村雲 祐子氏

営業現場での販促から商品開発のヒントまで、
豆乳市場を牽引するメーカーのPOSデータ分析を支援

マルサンアイ株式会社

営業統括部 営業推進室 村雲 祐子 氏
開発統括部 商品戦略室 深津 博美 氏

導入しているサービス
  • 日経POS情報 POS EYES
  • 日経POS情報・POS VISION

 みそ、豆乳それぞれの分野で業界トップクラスのシェアを誇るマルサンアイ株式会社様。 愛知県岡崎市に本社を置く同社は大豆加工に強みを持ち、国内市場を牽引してきました。 一方で海外への事業拡大にも着手、タイを中心に東南アジアでの豆乳販売を強化しています。最近では鳥取に新工場を設立し、生産体制を強化。2010年には豆乳を植物性乳酸菌で発酵させた商品「豆乳グルト」を発売し、チルド事業をスタートさせるなど、新規事業にも注力しています。

導入したきっかけ

深津氏:サービスを契約して10年以上は経っていると思います。当時、小売業界のPOSデータ開示が解禁されて販売情報が取得できるようになりました。そういった出来事がきっかけとなって、市場の分析が求められるようになったのです。弊社もその流れに乗るようにPOSの外部サービス導入を検討しました。何社かお話を伺った中で、日経のサービスが私たちの条件に合致しまして。条件はいくつかありましたが、一つはコストの部分。私たちはモノを作るメーカーですので、やはりメインは研究開発になります。その ため、マーケティングに対して大きな投資を行うのはなかなか難しい。そういった中で無理なく続けられる料金であること、費用対効果の良さは重要な判断軸の一つでした。また、信頼性も大事な決め手の一つでしたね。その点は日経新聞の発行元であるということもあり、解消されました。 社内での情報共有でも、社外への情報発信においてもデータの信頼性は欠かせないポイントだったのです。

活用方法

村雲氏:営業の支援を行う部署にいます。取得したPOSデータをデータベース化して、営業メンバーが取り出しやすいように整理したり、あるいは営業先で活用できるような市場分析、ランキングの形式にまとめた資料も作成しています。時には店舗の販促支援を目的とした資料作成のお手伝いをさせて頂くこともあります。また年に1回、全国の営業所を回って、POSデータの活用方法や分析の仕方をレクチャーしつつ、営業の方々へのフォローやサポートを日々、行っています。

『豆乳と鍋、最近では甘酒も週次でデータを取得。それ以外の商品は月次で取得しています』

村雲 祐子氏

村雲氏:週次、月次でデータを取得しています。週次で見ているのは豆乳と鍋。豆乳全体は週単位で動きが変わりますので、前週のデータが見られる火曜日に毎週欠かさず確認しています。鍋は気温と売上高の関係がわかりやすく出るので、こちらも週次でデータをひろっています。また最近では甘酒もテレビ番組でよく紹介されるようになっているため、週次でデータをとるようになっています。やはりテレビの影響が大きくて、週ごとに数字が変わっていきますね。これらのデータを部長以上の役員や社長、担当営業や商品の関連部署に共 有しています。 月次では先に挙げた商品以外にみそや調味料、レトルト食品や即席みそ汁など弊社のラインナップに載る商品全てのデータを取得しています。全国で見るものもあればエリア別に見る商品もありますね。また、みそや豆乳は四半期ごとにエリア別で分析しますし、鍋は冬場のシーズン終了後に報告をしています。 店舗は少しでも対象数が多い方がより正解に近いだろうということで、月次データは日経収集店舗+RDSから取得しています。一方で「急ぎでデータがほしい」といった依頼があった時には日経収集店舗を見ています。 週次データもスピード重視の際は日経収集店舗を、逆に幅広く全体を見る時には日経収集店舗+RDSのデータを見るようにして、使い分けています。

『最近はテレビの情報に影響されやすい。豆乳、甘酒に限らずいろいろなカテゴリの飲料を見ていく必要があります』

深津氏:最近では気温よりテレビの影響を受けやすくなっていると感じています。テレビ番組で紹介されると売上が急に上がるなど、非常に左右されやすい。また、最近ですとネットも同じ傾向があると考えています。キュレーションサイトで「ダイエットに良い」、あるいは「ヘルシーである」、「豆乳を続けて飲むと美容に良い」といった記事が紹介されると影響を受けますね。そういった要因もあってか、豆乳はおかげさまでここ最近ずっと前年比プラスの状態が続いています。

村雲氏:逆に言うと他の商品、例えば甘酒がテレビで紹介されると、甘酒に流れるお客さんもいたりします。豆乳を飲んでいらっしゃる人、しかもダイエットに効果があるという情報をテレビで見て飲み始めていた方がいた場合、その後にまた別の番組で今度は甘酒がダイエットに良いと紹介されると今度は甘酒に移っていかれます。野菜ジュースなども含め、他の飲料に流れるお客さんは少なからずいらっしゃいますね。メディアで取り上げられるかどうかで販売数も変わってくる。そういう意味でいくと、豆乳や甘酒に限 らずいろいろなカテゴリの飲料をチェックしていく必要があります。

豆乳

『価格に限らず、情報や提案が求められるようになってきました』

深津氏:最近は営業現場やお客さまからもいろいろな質問がくるようになって、要求レベルも高くなってきていますね。

村雲氏:営業メンバーから提案書の作成を依頼されたり、逆にテレビの情報をキャッチアップして資料を作り、発信するケースもあります。例えば、甘酒を豆乳で割って一緒に飲むと美味しく飲める。この事実に注目し、甘酒ニーズの高まりに応じて「甘酒を豆乳で割ると美味しい」といった提案を行う営業メンバーもいます。弊社では「ハレの日(祭礼や特別な行事のある日)提案」というものを行っていて、文字通り、ハレの日に向けた提案書を作って、そこに豆乳やみそといった商品を他の商品と組み合わせて店頭に置 くといいですよ、販促に繋がりやすいですよといった提案をしています。あるいは取引先の小売店がPOSデータを開示していて、そこからデータを購入することもあります。そういった場合、その小売店のデータと日経POS情報のデータを自ら比較検証するメンバーがいたり、検証作業を私たちに依頼してくるケースもあります。

日経POS情報公式サイトへ

深津氏:そういう意味でいくと、お客さんも価格に限らず、提案や情報を求めてくるようになってきていますね。情報と提案がない営業やメーカーは徐々に商談現場に呼ばれなくなってきているのを肌で感じます。だから日経のデータを使って分析をしつつ、提案をしていくことが求められているのです。

『商品開発の際のマーケティングリサーチの一環として、日経POS情報でニーズを探っています』

深津氏:一方で私が所属する開発統括部でも日経POS情報を利用しています。特に商品企画課という部署では、商品開発を行う際にマーケティングリサーチの一貫としてPOS情報を基にニーズを探ったりしています。例えば、既に発売された商品の動向を掴むためにランキングをチェックしたり、POS VISIONで年齢や性別などの属性付きデータも確認しています。それこそ村雲が発信しているレポートも活用させてもらっていますね。

また、みそ、豆乳と競合するカテゴリは非常に大切なので、重点的に動向を把握するようにしています。一方で自社商品が所属するカテゴリだけを把握しても今の時代、商品開発は上手にできないため、競合のカテゴリも含めてトレンドを広く見ています。特に飲料系は全体的に注視していますね。

開発の場合は、これからやるカテゴリ、検討したいカテゴリがあるので、その目的の分類に関するデータをダウンロードして見ています。また、POS EYESは日経テレコンの記事も読めるのでデータと併せて閲覧し、分析を行っています。

サービスへの評価、今後の期待

村雲氏:今、急に日経POS情報をやめますと言われたら本当に困りますね。3ヶ月おきにデータを見ていくという分析をもう3年、5年と続けているので、日経のPOSデータがベースになっています。これがもし他社さんのPOSデータになってしまったら、そもそものベースの数字が変わるので、動向分析などができなくなってしまうと思います。

『日経POS情報からもどんどん情報発信をしてきてほしい』

村雲氏:サービスへの要望というお話でいくと、いくつかあります。例えば、商品名に「特定保健用食品」と入っていますが、「トクホ」を識別するフラグやカテゴリがあるとさらに分析がしやすくなるのではないかと思っていました。

実際にトクホの市場はどうなっているのか?豆乳の中でトクホはどれくらい伸びてるのだろうか?といった疑問が生じた時に、その商品をピックアップして分析するよりも「トクホ」の部分だけを取り出した方が分析がしやすい。同様に機能性食品など既存のカテゴリに当てはまらない新しい分野が出てきた時、実際にどうなっているかの動向は知っておきたいと考えています。

あとは先ほども出た「ハレの日提案」も絡めていきたい。例えばハロウィンはここ数年盛り上がっていますが、1年前のハロウィンで実際にどんな商品が売れているのかといったデータは見ておきたいですね。

村雲 祐子氏 深津 博美氏

深津氏:POS VISIONであれば1年以上前の日次データも見ることができますが、契約して取得できるデータのカテゴリが限られています。逆にPOS EYESでは、1年前の日次データは見られませんしね。

村雲氏:そうですね。ですので見たかったとしても思いついた時にはもうデータがとれなくなっているということもある。そのあたりは幅広く見られるようになればいいなと思っています。

深津氏:「ハレの日提案」じゃないですけど、日経からもそういった「この日にこんな商品が売れている」といったレポートを出してもらったら良いなと思うことはありますね。

村雲氏:資料作成の切り口に悩んだ時に頂けるとありがたいですね。逆にこちらが気づかなかったような目新しい情報を頂けるとさらなる活用に繋がるのではないかと考えています。講習会の案内が定期的に来ていますけど、他社さんがどんな活用をされていらっしゃるのか、そういった情報があればぜひ知りたいですね。

(日経MM情報活用塾メールマガジン1月号 2017年1月22日 更新)

企業プロフィール

企業名 マルサンアイ株式会社
事業内容 食料品の製造販売(各種みそ、豆乳、飲料水、健康食品他)
代表者 取締役社長 渡辺 邦康
本社所在地 愛知県岡崎市仁木町字荒下1番地
資本金 8億6,544万円
従業員数 321名(パート・嘱託除く、2017年9月現在)
Webサイト https://www.marusanai.co.jp/

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