NIKKEI Media Marketing

導入事例

導入事例 Case Study
水口 隆司 氏(右) 一井 麻子 氏(左)

客観的なデータから自社ブランド価値認知
マーケティングの拡大へ

株式会社フジ医療器Adobe PDF file icon

マーケティング部 部長 水口 隆司 氏(右)
マーケティング部 マーケティンググループ長 一井 麻子 氏(左)

導入しているサービス
  • ブランド・ジャパン

老舗の健康機器メーカーとして知られるフジ医療器はマッサージ機の開発・販売のパイオニアとして、最新技術を取り入れながら、商品開発や海外展開に新しい挑戦を続けている。2014年からは会社の認知度、ブランドイメージを知る客観的な指標として、日経BPコンサルティングが提供するブランド価値評価調査「ブランド・ジャパン」を導入。そのデータ、スコアをもとに、中長期的な視点から、会社の認知度や商品への関心を高めるマーケティング活動を展開している。

60周年、節目の年にブランディング見直し マインドシェア評価不可欠

 フジ医療器は1954年創業、マッサージチェアをはじめとした健康・美容機器の製造、販売、輸出入をてがける。マッサージ機開発のパイオニアとして、広く知られる存在だ。
 2014年、創業60周年を迎え、商材やブランディングの見直しを行うタイミングで「ブランド・ジャパン」の利用を始めた。もともと社内での「ブランド」という概念は、売り上げや業界内での位置づけなど、いわゆるマーケットシェアからの観点が強かったという。しかし、実際のブランド価値を向上させるためには何が必要かを突き詰め、エンドユーザーにおけるマインドシェア(意識のなかでのブランドの占有率)という評価軸が不可欠という考えにいたったという。
 「マインドシェアは自社で判断することもできるかもしれませんが、やはり第三者的な視点は必要だろうと考えました。弊社が『ブランド・ジャパン』の対象としてノミネートしていただいたこともきっかけとなり、サービスを導入することになりました」(マーケティング部長の水口隆司氏)。
水口 隆司 氏

鮮明に浮かび上がった、真のユーザー層 社長、役員クラスの認知度高く

 ブランド・ジャパンは5万人以上の一般生活者、ビジネス・パーソンを対象に、延べ1500のブランドに関するイメージを調査し、各ブランドの偏差値や認知度(浸透度)などを算出する。調査方法の一つとして、一般生活者における企業のブランドイメージを「フレンドリー(親しみ)」「コンビニエント(便利)」「アウトスタンディング(卓越)」「イノベーティブ(革新)」の4つの因子から分析する。因子分析では、自社ブランドの強みや弱みをチェックしたり、回答者属性による違いを把握したりすることもできる。
 フジ医療器については導入当初から、「イノベーティブ」の項目が高かったという。
 「マッサージチェアを量産化し、世に広めたのは自社であり、マッサージ機の歴史を創ってきたという自負があります。業界の中でも革新的な活動ができていると思いますし、イノベーティブであることが会社の存在意義です。このため、実際にイメージ項目で『イノベーティブ』のスコアが高かったことはユーザーのお客様にも弊社の活動内容が正しく伝わっているのだという、自信を深めることができました」(水口氏)。
 「イノベーティブ」とともに「アウトスタンディング」のスコアも高い結果が出た。マーケティング部では「扱っている商品の特徴もあるのではないか」と分析。「マッサージチェアは基本的に単価が高く、実際に購入して自宅で使うユーザー層がある程度、限られてくるから」とみる。
 水口氏は「商品をお使いいただくユーザー層は年代でいうと50代以上が中心ですが、ブランド評価のデータをみると、年齢層でそれほど大きな差はありませんでした。違いがみられたのは『職業・職種』ごとの分類で、企業の社長や役員クラスからの認知率が圧倒的に高かった」と評価。年代ではなく、職種による認知率の差があるとわかったことにより、「より鮮明にユーザー層が浮かび上がった」という。

時流に合わせて新規商品を開発、女性など幅広い層へ発信

 購入する層が明らかになったことで、会社としての開発・販売の方向性が絞られ、「最終的に2つの軸が定められた」(水口氏)という。
 「1つめは、従来の戦略を継承し、高品質な商品を、お客様の納得のうえで継続的に使っていただくこと。そして、もう1つがいままで積極的にアプローチしてこなかった購買層にも寄り添えるような商品ラインナップを増やすということです」(水口氏)。
 2015年には女性の本格セルフケアのためのビューティー&ヘルスケアシリーズとして、新しいブランド「mashua(マシュア)」をリリース。また、従来商品より気軽に使える小型マッサージ機器「マイリラ」シリーズも発売した。いままでマッサージチェアとなじみのなかった層にも身近に感じられるラインナップをそろえることで、ブランディングにも少しずつ変化が表れた。
 その結果、ブランド・ジャパンにおけるイメージ項目「フレンドリー」「コンビニエント」のスコアが上昇。2015年からのラインナップの拡大により、データ上でも一般層へ認知が拡大する効果を感じ始めているという。既存顧客層の強化と、新規層への認知拡大をめざす方針は健康機器を扱う会社として、「すべての人に健康になってもらいたい」という想いに基づいている。
 「商品を通じて皆様に健康でいていただきたいと思っているので、やはり一部の購買層に届けるだけでは不十分だと思っています。もともとの弊社の強みであるマッサージの質へのこだわりと同時に、広く使っていただくために時代にも合わせていく。AI(人工知能)やすべてのモノがインターネットにつながるIoTなど最新技術を取り入れた商品開発にも積極的に取り組んでいます」(水口氏)。
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他社比較も参考、エンドユーザーの満足度上げる意識強まる

一井 麻子 氏
 水口氏は広報活動について「駅伝のようなもの」と語る。
 「私たちは先輩からタスキを受け取って、今の時代に広報活動を行っています。私たちの役割は、受け取ったタスキ、すなわち会社や商品のブランドの価値をきちんと高めて次に引き継ぐことだと考えています」(水口氏)。
 かつて、社内でもビジネスの進め方は「BtoBtoC」、すなわち「自社→家電量販店などの販売店→ユーザー」という流れであることから、「販売店を直接のお客様とする意識が強かった」(水口氏)という。
 「しかし、ブランド・ジャパンを導入し、エンドユーザーである個人のお客様のデータを見るようになってから考え方が変わりました。購入するお客様に満足していただければ、家電量販店などの評価も上がるし、それを通じて、自社の認知やブランド力も高まる。つまり、エンドユーザーの満足度を高めることにより結果がついてくる、というところをすごく意識するようになりました」(水口氏)。
 フジ医療器の中でも、独自にエンドユーザーに対してのアンケートなどは行っていたが、どうしても断片的な情報の収集で終わってしまうことが多かった。
 マーケティンググループ長の一井麻子氏も「ブランド・ジャパンではブランドの総合的な評価が得られるだけでなく、相対的に他社との比較も行えます。客観的に自社のブランドイメージが分かるので、結果として、エンドユーザーが自社のブランドをどうみているか、また、それをどうやって高めていけばいいかという意識が高まりました」と話す。

社内でデータを共有、ブランドへの自信につながる 士気も向上

 フジ医療器はいま、ブランド・ジャパンのランキングやスコア、データを、プレスリリースに引用するなど、PR活動にも取り入れているという。また、社内でも積極的に情報を共有することで、従業員の自社のブランド価値への興味関心がさらに高まりをみせているという。
 「ブランド・ジャパンで自社のブランド価値を客観的に出してもらったことで、あらためて、社内に『うちの会社はこんなにブランド価値が高いんだ』という認知が広まりました。特に、2019年はランキングも上昇したため、社内でもより自信が深まり、自社や自社製品をよりアピールしていこうという士気の高まりを強く感じました」(水口氏)。
 フジ医療器は客観的なデータを提供するブランド・ジャパンを社外的には広報活動の有力なツールとして、また、社内には従業員のモチベーション向上につながるインナーブランディングのためのデータとして、有効に活用している。
 
(日経MM情報活用塾メールマガジン3月号 2020年3月27日 更新)

企業プロフィール

企業名 株式会社フジ医療器
事業内容 健康・美容機器の製造、販売、輸出入
代表者 代表取締役会長 兼 CEO 安永 誠司
取締役社長 兼 COO 大槻 利幸
本社所在地 大阪市中央区農人橋一丁目1番22号 大江ビル14階
資本金 3,000万円
従業員数 783名(2019年3月末現在)
Webサイト https://www.fujiiryoki.co.jp/