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導入事例

導入事例 Case Study
商品開発部 西 房雄 氏(左)<br />
商品開発部 有賀 千紘 氏(右)

データの深掘り分析で仮説立てから検証のスピードが向上
地域性を考慮した商品開発、営業提案へ

カネハツ食品株式会社

商品開発部 西 房雄 氏(左)
商品開発部 有賀 千紘 氏(右)

導入しているサービス
  • 日経POS情報 POS EYES

 佃煮・煮豆・惣菜・おせち料理などの多彩な“おかず”を展開するメーカー・カネハツ食品(本社:愛知県名古屋市)は2022年4月に設立80周年を迎えました。商品開発部におけるトレンド調査や市場動向調査、営業部における提案書作成などに、日本経済新聞社が提供するデータ分析ツール『日経POS情報 POS EYES(以下POS EYES)』を積極的に活用し、商品戦略・販売戦略の策定に取り組んでいます。データに基づいてカテゴリーそれぞれの地域特性に合わせた商品企画を行う商品開発部・西氏に日経POSデータ導入までの流れと最新のデータ活用法をうかがいました。

導入のきっかけ

 日経POSを導入する前は他社のPOSデータを利用していました。ただ、POSデータをローデータでダウンロードしてすぐに可視化というわけにはいかず、EXCELを利用して関数やピボットなどで集計してグラフ化する、もしくは社内集計ツールに読み込ませてグラフを可視化している状況で、作業が属人化している環境でした。また、カテゴリーも大分類のみの契約だったので非常に大枠のPOSデータしか取れていませんでした。そのため、データをダウンロードした後、独自で小分類化するという手作業もあり時間を要していました。また、トレンド情報や営業個別の依頼の資料作成を受けることもあり、そのような作業が商品企画部門で集中するという課題もありました。
 2021年1月に、日経から「いろどり百撰栗きんとん大400gが小分類栗きんとんの新製品限定で期間2020年12月28日-2021年1月3日の週間売上ランキング1位を獲得していますので日経MJに掲載させてください。」というお電話をいただき、掲載に至りました。それがきっかけで社内で話題になりまして日経POSへの興味関心がかなり高まってまいりました。やはり日経というブランドって大きいよねというような声も出てきていました。なおかつ、私のところに営業からこういうデータは出せないかと1枚のデータをもらったのですが、それが日経POSのABCランキングの資料でした。その時に使用していたPOSサービスで作ろうとすると非常に時間がかかり営業へ渡すまでに2日間かかってしまったという状況でした。
日経MJ掲載に至った商品のPOS EYES画像
 そのような経緯で日経POSサービスを説明いただきまして、何といっても操作性・可視化する部分のグラフ化が非常に早いなと思いました。また、カテゴリー小分類が非常に細かく設定されていましたのでこういったものを使えば、市場分析時間がすごく短縮できると感じました。情報の納期短縮でサービスの向上が図れたり、商品開発・営業部門でのPOS情報関心度向上につながるのではないかという期待もするようになりました。
 そして日経POSの導入にあたり日経メディアマーケティングに協力いただき商品開発部と営業部門全員参加で勉強会をいたしました。
 導入以降、商品開発部の仮説検証や地区別販売分析のスピードが向上し、販売戦略構築にも役立っています。そして営業の利用者も増え、販売トレンド情報発信の機会も増えてサービス向上の一環として活発にPOS EYESを活用させていただいております。

最新のPOSデータ活用法

 毎年、佃煮おせちのPOS調査レポートを社内及び一部外部の方にも営業から発信させていただいております。このデータは佃煮おせちに関する小分類を2016年から2021年の6年間の12月だけの単月を分析しています。分析に関してはPOSデータの収集店舗の増減を考慮に入れるために売上構成比を基本としています。
分析サンプル
 今までは全国データのみの分析でしたが、日経POS導入後は10地区(北海道・東北・関東外郭・首都圏・北陸・中京・近畿・中国・四国・九州)の分析が可能となりました。
 分類に関しては黒豆煮豆・おたふく豆・栗きんとん・豆きんとん・栗の甘露煮・昆布巻き、まではすでに設定されている各小分類を選択しています。ただし、「たつくり」という小分類はなかったのでオリジナルで分類を作成編集できるマイ分類機能というものを使用して、佃煮という大分類の中から品名に「たつくり」「田作」が含まれる商品をカテゴライズして、マイ分類を作って分析をしています。
 日経POSで各地域のおせち関連小分類の構成比を分析して、地域性を考慮した商品開発、営業提案につなげています。

 そのほかにメーカー別の売上構成比の推移を見たり、地域別のメーカー売上構成比を見たりとこういった分析が日経POSで素早くできます。もうちょっとこういうことを調べたいとどんどん深掘りしていきたくなってしまうのが日経POSのデータだと思っています。このように大きなデータから見て深掘りして、最終的には商品戦略・販売戦略につなげられるよう日々活用しています。

――小売りに提案する際に何を重要視していますか。

 出現店千人当り金額の数値というのは非常に重要と思っています。新製品を導入する際は発売日に全国同時に入ることはなかなか難しいので実際に入った店舗に注力して、動きが良ければそのほかにもご紹介するというきっかけにもなっていきます。

――その他のデータは活用していますか。

 属性データは必要だと考えています。商品開発をする上では、仮説やペルソナ人物を設けて商品開発を進めていきますが、あくまでも仮説ですので、具体的に客観的なデータで見ることによってそれにズレがないかを確認できるのは大きいと思います。昨年POS EYES導入時に『日経POS情報・POS VISION』を検討しましたが、次の段階で考えたいと思います。

POSデータを全社的に使うために取り組んでいること

 まだ使っていない社員に日経POSの良さを知ってもらって、まずは利用人数を増やしていきたいです。新入社員など新しく入ってきた方には必ず使用してもらい市場を分析することは必須だということを啓蒙していきたいと思っています。
 また、現在POS EYESのグラフだけではなく、社内データベースに落とし込んで蓄積されたデータを分析、可視化するための環境整備をしています。

POS EYESに期待すること

 容量・容器などの切り口をPOS EYESで設定していただけると大変集計しやすいです。現在は自分たちで手動でやっている部分もあるのでぜひお願いしたいです。コロナ禍において大容量が好調というのがありましたが、いまは定着してきているように感じます。少量タイプで使いやすいというものもありますので二極化しているかと思います。消費者の生活環境変化と購買行動変化をとらえたマーケティングは重要性を増しているので、内容量や容器形態などの項目も素早く分析できるようになることを期待します。
(2022年7月8日、取材日の情報をもとに構成しています。)

企業プロフィール

企業名 カネハツ食品株式会社
事業内容 食料品の製造・加工及び販売(佃煮・煮豆・惣菜を主とする各種食品)
代表者 代表取締役社長 加藤 英敏
本社所在地 愛知県名古屋市南区豊三丁目19番24号
資本金 1億円
従業員数 291人(2022年3月現在)
Webサイト https://www.kanehatsu.co.jp/

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