導入事例|マルハチ村松|日経テレコン POSEYES

 2年後の2018年に創業150周年を迎えるマルハチ村松は、鰹のだし汁を中心とした老舗のだしメーカーである。天然素材にこだわった技術革新をキーワードに、幅広く天然調味料を開発している。その事業領域は、だし汁にとどまらず健康・機能性表示食品からバイオ・医薬用品素材と多様なマーケットに展開されている。そのため、原材料メーカーであってもマーケティング活動は常に欠かせないという。そのマーケティング活動になくてはならないのが、「日経テレコン POSEYES(以下、POSEYES)」。

B to B to C企業として、食品メーカーなどのお客様と同じ目線で商品開発

 マルハチ村松は、だし汁の原材料メーカーとして、食品メーカーの商品開発の際に味の基本となる"だし"を依頼されることが多い。そのほかにも、病院・学校給食、外食レストランなどを顧客に持つ、いわばB to B企業である。しかし同社は、本来B to Cの企業が活用するPOSデータをマーケティング活動として重視している。POSデータといえば、食品メーカーや小売業などB to C企業にとってはなくてはならないマーケティングデータである。POSデータを分析することで、顧客の購買動向、競合他社や商品カテゴリーの動向が把握でき、今後のマーケティング戦略に活かせる。

 そのPOSデータを、なぜB to B企業のマルハチ村松で必要とするのか。同社が日経テレコンのPOSデータを活用しはじめたのは、1999年のことである。それから16年を経た今年、操作性が向上し、商品カテゴリーも豊富なPOSEYESに切り替えた。POSデータ導入から今日に至る背景を、開発本部・東京開発センター センター長の大石央氏は次のように説明する。
「POS情報を導入した当時は、まだB to Bといった言葉も周知されていなかったと思いますが、弊社はB to B企業ではなく、B to B to C企業だと思っています。私たちは、単にお客様の食品メーカーから依頼された味を作るのではなく、お客様と同じ目線で商品開発に携わる姿勢を貫いています。そのためには、同じ情報を持っていなければいけません。もちろん、弊社のだしが使われている商品の売れ行きもチェックしますが、今、市場でどんな味がブームなのか、どんな商品が売れているのか、お客様が何を考えているのか、われわれも把握したいと考えているのです」。

POS情報を分析して、味のトレンドを見極める

 さらに同社では、POS情報を分析し提案型の営業も行っている。
「そもそも味は、主観的なものです。地域の特性があるものも、ないものもあります。そのため、だしの提案をするときは、味のトレンドがどうなっているのか、今後ブームになりそうな味は何かをひも解きながら提案します。その裏付けとなるのがPOS情報です。POS情報を分析し、次の味のトレンドを客観的に探っていくのです。例えば、ある同一カテゴリーで、5社ほどメーカーが商品を出していたとします。もしその2番手以降の商品の売れ行きが伸びてくると、その"とんがった"味付けに着目したりするんです」(大石氏)。

 POSデータの分析は、食品全般に及ぶ。例えば豆乳鍋がブームになった時のことだ。豆乳は少しクセがあるため、マルハチ村松では豆乳鍋のブームに合わせて、豆乳のクセを緩和させるダシは何かを考えた。だしの種類や応用範囲は広く、鍋のほかにも、かまぼこ、せんべい、炊き込みご飯、惣菜などさまざまな食品で使われている。そのすべてに関して、「常にお客さんと一緒に考え、商品開発の手助けになればという思いで活動をしています」(大石氏)という。
 また、お客様には外食レストランや中小の食品メーカーもある。
「お客様の中にはPOSデータを持っておらず、逆に私どもに市場動向を聞いてくる場合もあります。その場合は、POSEYESによる分析レポートを持参して、営業活動をすることもあります。今ではPOSデータが、一つの営業ツールにもなっています」(大石氏)。

クオリティー・カンパニーを目指して

 2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に選出されて以来、和食特有のだし文化が世界に広く知られるようになった。マルハチ村松のホームページも英語、中国語、韓国語、フランス語に対応している。「弊社でも以前から海外の顧客がいます。確かに海外では和食がブームになっていると言われますが、まだ追い風というほどではありません。ただ、日本のだし文化はまだ普及していない分だけ、今後市場は広がる可能性はあります」と大石氏は語る。
 だしメーカーは大小さまざまで、ネット販売専門のメーカーや独自の販売チャネルを持つメーカーなどが複雑に絡んで市場を奪い合い、食品業界全般で競争を繰り広げている。 「今後、市場競争を勝ち抜くためにも、マーケティング活動はさらに強化していかなければならないでしょう」(大石氏)。

(日経MM情報活用塾メールマガジン1月号 2016年1月13日 更新)



企業プロフィール

企業名株式会社マルハチ村松
事業内容天然調味料・機能性食品素材、チルド・デリカ食品の製造販売
代表者村松 善八
本部所在地静岡県焼津市下江留1001-1
資本金5,000万円
従業員数492名
Webサイトhttp://www.08m.jp
ページ先頭へ