「歴史」評価に感謝 VB支援の仕組み整い、「目立ちたがり屋」後押し
--- 九州は世界文化遺産も多く、そういう意味では恵まれています。最近では自動車、電気機器など「ものづくり」の拠点として注目されるだけでなく、スタートアップ企業が目立つなど新しい動きもみられます。
九州は歴史的には日本において先行的な役割を果たしています。どこに行っても歴史があり、それが単なる歴史ではなく、現代人が訪れたくなる、当時の姿に触れたくなる「空気」があります。2015年の「明治日本の産業革命遺産」に続いて、今年は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録され、訪れる価値があることを世界にPRできています。長い期間、戦略的に行動し、認められたことは非常にうれしいことです。九州の人は恵まれすぎているのかもしれませんが、日常茶飯事だった文化を残すべき文化として再認識してきた取り組みがよかったものと思います。
九州というと芸能人が多く、もともと「目立ちたがり屋」がそろっているといわれ、スタートアップ企業が増えていることはそうした気風が影響しているのかもしれません。ベンチャーファンドや地域金融機関、コンサルティング会社、自治体・大学・研究機関などベンチャー企業(VB)を支援する仕組みが整ってきたことで、起業が増えているようです。いいものをきちんと評価し、おカネや支援が回る仕組みができています。以前から気持ちはあったところに、仕組みができたことで、変化が起きているようです。ただ、継続するのは難しい、いかに成長していくか、軌道に乗せるか、これからが大切です。