社外の人間として、経営者が暴走しないようチェックするのは大きな役割です。また、その企業にある企業内常識と、社会の常識との間に生じ得るギャップについて、きちんと確認していく役割もあると思います。社外役員が企業活動のすべてについて知ることは難しい面もありますが、そうした限界があることも感じながら、役割を果たしていく必要があると思っています。
一方、企業が「リスクをとって、チャレンジしよう」という時、社外の人間はただ「あぶない、あぶない」と言っているだけで良いとは思っていません。本当に企業の将来性につながるチャレンジとなるよう、どうやってサポートできるか、そういう視点からも真剣に考えたいと思っています。もちろん、それでも事業が失敗することはありますが、さまざまな視点から考えて、決めていくことが大切です。
現在、コーポレートガバナンスコードが見直されようとしています。法制審議会(法相の諮問機関)などでは、企業と株主の対話促進、株主総会や株主提案権に関するルール、取締役会の在り方、社外取締役の設置義務付けや人数の基準、構成比、さらに取締役の女性比率などが焦点になっています。
これはコードであり、強制ではないという位置づけは承知していますが、経営者が株主に対してしっかり説明責任を果たすという視点を持ち、自らの考え・判断で決める、実行することが重要だと思っています。