SDGs浸透へ、いい流れ あらゆる場で目標との関連訴える 「ブームに終わらせない」いまが正念場
--- 創業以来、グローバル社会への貢献をめざし、いまでいうSDGs(国連の持続可能な開発目標)やESG(環境・ソーシャル・ガバナンス)経営に意欲的に取り組んできました。日本でもトレンドになりつつあります。
ようやくSDGsやESGが日本にも定着するかどうか、いい流れになっていると思います。ただ、せっかくここまで来たのだから、ブームに終わらせず、この流れを着実に各企業と生活者、消費者などに浸透させていくために、いまが一番、大事な時期になると思います。
いま、SDGsのバッジをさまざまな方が身に着け、さまざまな商品にSDGsのロゴが印刷されています。私もSDGsのバッジを着けています。「ダサい」といわれることもありますが、絶対に外さないつもりです。ユーグレナ社はホームページや決算説明資料など、あらゆるコミュニケーションの場で、事業や試み、商品やサービスがSDGsの17目標のうち、何に関連するのかを訴え続けています。常に、徹底的に発信する。地味ですけれど、これを続けられるかどうか、正念場だと思います。
我々のような小さなベンチャーがFAO(国際連合食糧農業機関)、WFPなどとタッグを組んでバングラデシュの難民支援事業を連携して進めていくことができているのも、SDGsの盛り上がりがなかったら、到底できなかったことです。SDGsの示す共通のゴールに向かっていくなかで、パートナーとして仲間意識や連帯感が生まれてきました。
この流れをさらに進めていくためには影響力のある経営者やリーダー、企業が連携することが大事です。たとえば、花王のフィルム容器入りシャンプーを繰り返し使えるボトルに立てて使うサステナブルな商品がセブンイレブンで販売され、そのセブンイレブンのペットボトルリサイクル事業にバイオ燃料を積んだトラックが使用されるなど、いまはメーカー、物流、小売り、流通と全部の業種、あらゆる分野の考え方がSDGsになりつつあります。
同じような試みが同時多発的に生まれてくれば、それが世の中のトレンドになっていきます。消費者は価格が高いか安いかで商品を選ぶのではなく、こうしたアクションを取っている企業の商品やサービスを選ぶようになるのではないでしょうか。