6つの「重要社会課題」を設定 中期目標・KPI置きモニタリング
--- SDGsには具体的にどのように取り組んでいますか。
日本独自のビジネスモデルである商社の事業領域は本当に幅広く、SDGsの17の課題、ほとんどすべてをカバーしているのではないでしょうか。住友商事グループでは本年6月に、6つの「重要社会課題」を設定し、持続可能な社会の実現に向けて果たす役割を明確にするため、それぞれに長期目標を置きました。6つのテーマは(1)気候変動緩和(2)循環経済(3)人権尊重(4)地域社会・経済の発展(5)生活水準の向上(6)良質な教育――です。
事業を通じて課題を解決していこうと、今後設定する中期目標・KPI(最重要業績評価指標)を基にモニタリングしていくことを決めています。
日本は環境問題や人権尊重などのテーマでこれまでも世界で先進的な取り組みをしています。温暖化ガス排出量削減や電気自動車の開発などでは高い技術力を発揮し、豊富な実績を持っています。人権への配慮にも非常にしっかりしたものがあります。ただ日本という国や企業は優れた技術をグローバル・スタンダードに仕上げるのが苦手で、その謙虚さのせいか、アピールが不足しているところがあります。実力をきちんと伝えることが足りていないのかなという気がしています。
住友商事はミャンマーにおける通信事業(携帯電話の普及率は参画時の10%から150%まで拡大)、ベトナムの工業団地建設・運営(3つの工業団地、合計835ヘクタール、約8.5万人の雇用創出)と物流事業、風力発電や、インドネシアでの地熱発電などの再生可能エネルギー事業など、さまざまなかたちで課題の解決にグローバルで貢献しています。それぞれ生活を豊かにし、便利さを向上させ、雇用を生み、環境の改善・保全につなげています。