若い人にはファーストペンギンとなって企業文化を変えてほしい
--- 先ほど、若い世代にもチャレンジする精神が足りないというお話がありましたが、そうした世代に向けて、今後どのようなことにチャレンジしたらよいかというメッセージはございますか。
若い人が物心両面で満足しているとしても、もっと知的なハングリネスというものを、自分なりに喚起していってほしいと思います。無為な日々を過ごす怠惰な人生は楽なものです。しかし、自分が生きている意味は何なのかという、自分自身の存在理由を、原点として考えるべきだと思うんです。
若者がそうして考え、行動を起こすことで、企業も変わっていきます。日本企業は「儲ける」ということをあまり真剣に考えず、買い手、売り手、世間を満足させる「三方よし」という近江商人の心得を言い訳に、ある意味では呑気な経営を行ってきました。社会貢献を隠れ蓑として、資本効率が低い状態を放置してきた訳です。しかしこうした企業文化も、若い人たちの中から先陣を切って海に飛び込むような勇気を持ったファーストペンギンがたくさん出てきたら、変わっていくでしょう。