トップの役割は10年後、20年後を見据えた存在意義への問いかけ、現状への懐疑心が必要
--- 理事長として、リーダーとして心がけていることはありますか。
組織の中には長い目でその組織の意義やサバイバルを考える役割の人がどうしても必要です。人の習いとして「今までのようにやっていればいい」という気持ちは誰にでもありますが、「本当にそれでいいのか」、「考えることがほかにあるのではないか」という意識を常に持っていなければいけないと思っています。それがトップの役割であり、OECDにいるときもそう思いました。OECDでは私はナンバー2でしたが、ナンバーワンである事務総長は5年後、10年後、20年後もずっとOECDが加盟国だけではなく、世界中の国の役に立つ組織にするためにはどうしたらいいかということを常に考えていました。
企業のマネジメントをやる人が社長・副社長以下何人かいるとしても、その中の1人はやはりそういうことにエネルギーと時間を注げるような体制を作らなければいけないと思います。