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実務で使われる金融工学の基礎

概要 Outline

早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター「ファンドマネジメント講座」実務で使われる金融工学の基礎【2024秋季日程で開講予定】

【ご参考:前回(2024春季日程)の開講時の内容です】

日時 2024年 3月15日(金) 10:00~17:00 (お昼休憩 13:00~14:00)
プログラム
概要
 金融工学・ファイナンス理論は運用業務のベースとして広く使われていますが、一般的にわかりにくい印象をもたれています。本講義では、金融工学を基礎の基礎から実際の運用へ到るロードマップを示した上で、確率・統計が苦手な方にも直感的に理解できるように、エクセル・スプレッドシートのデモによりわかりやすく説明します。
 特に、マルチファクターモデルについて、本格的な学習用モデルを通じ、動作原理から利用方法に到るまで詳細に紹介します。講義で用いたツール類はダウンロードできますので、後日の復習に活用できます。運用業務に直接関わる方の他、ミドル部門や商品企画、マーケティング部門の方にもお勧めできるプログラムです。
講師 外尾 光法(元 大和アセットマネジメント クオンツ運用部長)
会場

早稲田大学日本橋キャンパス
東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング(コレド日本橋)5F
受講料 48,000円(税込)
お問合せ先 wasedafmib@nikkeimm.co.jp
コンテンツ Contents

Session 1 金融工学への導入としての確率・統計 10:00~11:00(60分)

  • 1. 導入 ~ リターンとリスク
    • ・ リターンの不確実性とは ~ 不確実な資産価値の変化をどう捉えるか
    • ・ リスクをどうやって定量的に表すか ~ リターンの2乗平均の意味
    • ・ リスクの大きさと資産変動 ~ 標準偏差の大きさによる違いをシミュレーション
  • 2. リターンの確率分布とリスクの関係 ~ ランダムの中の規則性
    • ・ リターンの分布 ~ グラフにすると分かりやすい
    • ・ リスクと確率分布 ~ リスクを定量化するとはどういうことか?
    • ・ リターンの確率分布の比較 ~ TOPIXと国債インデックスの違いを数値で表す
    • ・ 確率分布の特徴 ~ 性質をおおまかに特徴づける
    • ・ 正規分布の性質を理解する ~ ポートフォリオのリスクも個別銘柄と同様
    • ・ リターンの正規分布仮定 ~ 確率変動の扱いを楽にする
  • 3. リスク推定方法 ~ 理屈より目的
    • ・ 実際の資産のリターン分布と性質 ~ 標準偏差だけでは計測できないリスクの存在
    • ・ 分散・共分散の推定方法 ~ オプションのIV or ヒストリカルデータ
    • ・ 実用的なリスク推定方法 ~ 単純法と指数減衰法
  • 4. 相関係数と回帰分析 ~ ポートフォリオ理論への導入
    • ・ 2つの確率変数 ~ 株式の日次リターンを確率変数と考える
    • ・ 相関係数 ~ 確率変数の動きから相関関係を捉える
    • ・ 回帰分析 ~ 標準偏差を等しくする

Session 2 ファイナンス理論と実務の接点 11:00~13:00(120分)

  • 1. ポートフォリオ理論 ~ よい投資とは何なのか
    • ・ ポートフォリオ理論の基本的な考え方 ~ ポートフォリオの期待リターンとは?
    • ・ ポートフォリオのリスク ~ 3資産で効率的フロンティアを描くとどうなる?
    • ・ ロボアドバイザーの裏側 ~ 基本原理は極めてシンプル?
  • 2. アクティブ ~ ウェイト・リターン・リスク
    • ・ アクティブ運用とパッシブ運用 ~ ファンドマネジャーは何をコントロールしているのか
    • ・ ウェイトとリスク・リターン ~ アクティブウェイトとベンチマークウェイト
    • ・ アクティブリスク(トラッキングエラー)の推定 ~ 原理はトータルリスク推定と同じ

Session 3 ファクターモデルの活用 14:00~16:30(150分)

  • 1. ファクターモデル ~ リターン相関の構造
    • ・ ファクターモデルの位置付けと考え方 ~ 複数の銘柄を共通に動かす要因を探る
    • ・ なぜ銘柄間に相関があるのか
    • ・ ファクターモデルと共通要因 ~ 銘柄間の相関構造を明らかにする
    • ・ ファクターモデルの構造と用途 ~ どんな時に利用するのか
    • ・ ファクターモデルと銘柄情報
    • ・ 情報の集約 ~ ファクターモデルは大量の情報を集約するための有用なツール
    • ・ ファクターモデルによる分析例 ~ リスクインデックス・エクスポージャー
  • 2. シングルファクターモデル ~ マーケットが相関の源
    • ・ β(ベータ)の求め方 ~ β値の特性を理解する
    • ・ シングルファクターモデルと銘柄間相関 ~ ファクターに対するβ値から相関を求める
    • ・ 期待リターンとリスク ~ 銘柄のリターンとリスクはどこからくるのか?
    • ・ リターンとリスクを分解する仕組み ~ リターンもリスクもファクターモデルで分解できる
    • ・ シングルファクターモデルの活用と応用範囲
    • ・ 2銘柄で考えよう ~ 個別銘柄の具体例と各種数値の前提
    • ・ β(ベータ)の合成
    • ・ ポートフォリオのリターン分解とリスク分解 ⇒ アクティブリターン・リスク分解
    • ・ シングルファクターモデルとアクティブ運用
    • ・ アクティブポートフォリオ構築(Excelによる最適化デモ)
  • 3. マルチファクターモデル ~ 複数の相関の源
    • ・ マルチファクターモデルの基本構造 ~ モデル形式と銘柄相関
    • ・ ファンダメンタルズベータ ~ マルチファクターモデルからの計算方法
    • ・ 実務で多く使われるモデル ~ Barraのスタイルファクターと業種ファクター
    • ・ 感応度先決め型(1)~ ファクターリターンとファクター感応度
    • ・ 感応度先決め型(2)~ ファクター標準化とファクター共分散
    • ・ 感応度先決め型(3)~ スペシフィックリスク推定モデル
    • ・ マルチファクターモデルの活用 ~ 理論から実務へ
    • ・ トータル分解とアクティブ分解
    • ・ アクティブリターン分解とアクティブリスク分解
    • ・ ファクターモデルによるアクティブリスク計算 ~ ポートフォリオのリスクは計算で求まる
    • ・ マルチファクターモデルとアクティブ運用(学習用ツールを用いたデモ)~ マトリョーシカ
    • ・ アクティブエクスポージャー ~ アクティブ感応度を変化させる
    • ・ ポートフォリオの設計(Plan)⇒ 最適化とアクティブリスク分解(Do)⇒ ポートフォリオのチェック(See)~ アクティブリターンの要因分解

Session 4 アルファの獲得とクオンツ運用 16:30~17:00(30分)

  • 1. クオンツ運用 ~ 一番わかりやすい運用
    • ・ ポートフォリオ構築プロセスの全体像
    • ・ アノマリー ~ 存在理由を知ることによる効果的な活用
    • ・ アルファの合成 ~ アノマリーをアルファへ変換する
    • ・ アルファ構築の流れ ~ AI運用?
    • ・ クオンツファンド ~ 決められている条件と決めるべき条件
    • ・ ポートフォリオ構築へ ~ 取るべきリスクと取ってはいけないリスク
    • ・ ポートフォリオ最適化とシミュレーション ~ 幻想ではなく現実を見るために
  • 2. インフラ ~ 大変です
    • ・ データベースの構築と求められるもの
    • ・ 考慮すべき点 ~ 高速性と網羅性と正確性のトレードオフ
    • ・ 社内分析環境 ~ 原データ → クリーニングデータ → 加工データ → ツール
    • ・ 各種ツール ~ 目的別に要求されること
料金 Price

38,000円(税込)
※記載の受講料は、日本国内からのお申し込みに限ります。海外からお申し込みをされる場合は、別途事務局へご相談ください。

早稲田大学FM&IB講座事務局(TEL.03-4232-7463/wasedafmib@nikkeimm.co.jp)の営業時間は、休日を除く月曜日~金曜日の10時~17時です。日程・講師・内容・時間割等は、都合により変更させていただく場合がございます。