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日経MM情報活用Webinar『コロナ禍で変わる企業の情報共有~記事共有でつなぐコミュニケーション~』

 日経メディアマーケティングは2020年10月22日、「コロナ禍で変わる企業の情報共有~記事共有でつなぐコミュニケーション~」をテーマにオンラインセミナーを開催しました。セミナーでは、オフィスに通わないことが増えるテレワーク時代の社内情報共有とコミュニケーション活性化に最適な新聞記事共有サービス「日経スマートクリップ」を紹介、実際にご利用いただいているイオン株式会社様に新聞記事切り抜きからデジタルツールへ転換した狙いや具体的な活用方法を説明いただきました。本レポートはそのサマリーです。

開催日時 2020年10月22日(木)11時10分~12時00分 (11:00~ Webinarオープン)
開催地 オンライン
内容 講演「記事共有サービス活用事例」
イオン株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 山﨑 浩史 氏
 

講演 山﨑 浩史 氏「記事共有サービス活用事例」

広報着任早々、最初の仕事は新聞記事の切り抜きだった

 イオングループ23社が活用しているのは日本経済新聞社とEL(エレクトロニック・ライブラリー)社が提供する『スマートクリップplus』。今回、オンラインセミナーに登壇いただいたのは流通大手、イオングループの純粋持ち株会社のイオン株式会社(以下、イオン)で広報を担当するコーポレート・コミュニケーション部の山﨑浩史氏です。
 イオンの広報部門が『スマートクリップplus』の導入を本格的に検討し始めたのは2018年10月。山﨑氏は「広報に着任して間もないころだった」と話しました。山﨑氏が当時、広報担当として最初に手掛けたことは新聞の切り抜きで、「毎朝8時30分に2人の担当が新聞を確認し、イオンに関する記事を探します。そして、9時に出社する他のメンバーが先に出社したメンバーが集めた記事内容を別の新聞を見てチェック、内容が適切であると確認できたら、記事を切り抜いて上司に提出するという流れでした」(山﨑氏)。

山﨑 浩史 氏
イオン株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 山﨑 浩史 氏

必要な記事の選別が自動的に 検索式を試行錯誤、トライアルで効果を「確信」

切り抜きの様子
毎朝8時30分~ 2名で新聞を確認

 広報担当が初めてだった山﨑氏はこうしたアナログな方式で作業を行っていることに少々驚きを感じたそうで、「ちょうどそのころ、日経メディアマーケティングの営業担当者から『スマートクリップplus』というサービスがあることを聞いた」(山﨑氏)と話しました。山﨑氏は興味を抱き、他社(通信社やクリッピング会社など)のサービスとも比較、「日本経済新聞各紙の情報が即日得られるという点が自分たちのニーズにも合致すると考え、導入に向けたトライアルを始めることにしました」と話しました。
 山﨑氏は試験導入を12月からと決め、記事の選択基準設定に着手しましたが、難題も多かったそうです。その一例が「イオン」という言葉の特徴です。「一般的にいろいろな場面で使われている言葉で、電池(リチウムイオン電池)もあり、単純な検索ではライオンも引っかかってしまいます。ただ、『スマートクリップplus』には検索式で工夫できる機能があり、たとえば、『ノット(NOT)』という演算子を使うことで、不要な検索語の入った記事を出さないように設定することができました」(山﨑氏)。

 2019年の1、2月と試験運用を続けるなかで、本当に欲しい記事と要らない記事、キーワードの選別や絞り込みなどを繰り返し、クリップする情報と条件を細かく精査しながら、導入に向けて下準備を進めたといいます。「トライアル期間中に、『スマートクリップplus』がイオンの経営に非常に効果があることを確信し、社内決裁を取って、3月から正式な契約を結びました」(山﨑氏)。

4つの狙い、すべてクリア スキルアップなお改善余地

 セミナーのなか、山﨑氏は『スマートクリップplus』導入の狙いとその実際の効果について、次のようにまとめてくれました。

  狙い 効果
①著作権への対応 法令遵守は企業にとって重要事項 自信を持って「二重丸」
②簡素化 デジタル化によって切り抜きなどのアナログな煩雑作業をなくすこと 記事内容を他新聞で確認する手作業は継続的に行っているが、記事集めの作業自体は大幅に簡素化できた
③均一化 メンバーは10人、2人組で4回に分けて記事検索・配信業務を担当。習熟度に違いもあり担当者ごとの作業レベルや時間を均一化したい スキルの均一化がかなり進展。まだまだレベルを上げられると思っている
④広範囲の情報入手 グループ会社は地方にも営業展開。地方でも自社の成果を把握し、ベンチマークする他社の情報の把握をする必要がある 非常によくできている。地方紙の記事の掲載数も増え、全国紙やブロック紙の地方版記事も着実にフォロー
 

 

テレワークの状況下でも効率はむしろ向上、どこからでも配信&閲覧

 2020年に始まったコロナ禍のなかで、イオンでも3月ごろから、時差出勤やテレワークを行う従業員の割合が増えていったといいます。山﨑氏によると、コーポレート・コミュニケーション部のメンバーは現在、毎朝9時から10時の間に、契約した受信者に対して記事をメールで配信していますが、「時差出勤やテレワークが障害になるかと懸念しましたが、実際にはそうなりませんでした」(山﨑氏)。
 部のメンバーは新聞を見なくても、どこからでも、決まった時間に配信業務ができており、情報を取捨選択する管理者の作業も自宅のパソコンから実施しているといいます。さらに、受信者も場所を問わず、どこでも決まった時間に確認できているようです。
 山﨑氏は「コロナ禍以前にはこういう利点を想定して導入したわけではなかったのですが、時差出勤やテレワークが推進される状況でも逆に仕事の効率が上がったという認識をしています」と強調しました。

数字で見るイオングループ
           数字で見るイオングループ

 山﨑氏は『スマートクリップplus』導入の思わぬ利点をこのように語り、最後に次の言葉で講演を締めくくりました。
 「広報の役割はメディアを通じて自社の考えを広くステークホルダーの方々に伝え、企業価値を向上させることだと考えています。そのためには自社・他社だけでなく、世の中全体の情報把握がやはり重要だと考えます。『スマートクリップplus』導入で得たものは自社‧他社の情報をクローズアップしてわかりやすく見ることができるということが一つです。さらに作業の簡素化などにより、世の中の情報把握をする時間が増えたこと、また、情報を見る方法や考え方が変わったということです。実はその点が大変、重要だったのかと思います」。

■ セミナー参加者からこんな質問も…

セミナー参加者からのご質問

Q. いわゆる業界紙、専門紙などの記事はどのように共有していますか?

A. 一部の業界紙、専門紙も『スマートクリップplus』で網羅できています。ただ、細かな業界紙、専門紙の情報までは必要ではなく、切り抜きまではしていません。必要な情報はすべて『スマートクリップplus』で収集できていると考えています。


Q. 紙の切り抜きの方が良いという声が根強くありませんでしたか?

A. テキスト形式のみだったら、受信者からクレームが上がったと思いますが、『スマートクリップplus』では新聞と同じレイアウトで記事を読むことができます。タブレットで記事を閲覧すると、拡大することもできますので、年配の方にとってはより記事が見やすくなるというメリットもあります。

山﨑 浩史 氏

ジャスコ株式会社(現・イオン株式会社)入社。グループ企業である株式会社メガスポーツ(営業、店舗支援、人事、戦略など担当)やローラアシュレイジャパン株式会社(人事・総務)、台湾事業(経営全般)などの勤務を経験。2018年9月より現職。

(2020年10月22日セミナー情報を掲載しています)