NIKKEI Media Marketing

昭和女子大学

導入事例 Case Study
飛田史和教授

「英語でビジネスを学ぶ」コンセプトにマッチ
自発性に着火、オンライン講義にも効果的

昭和女子大学

グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科 教授
飛田 史和 氏

導入しているサービス
  • Nikkei Asia(教育機関向け)

 1920年の建学から100年を迎え、女子教育の先駆けとして人材育成を進めてきた昭和女子大学では、2013年に立ち上げたグローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科で「英語でビジネスを学ぶ」をテーマに実践的な教育を行っています。学生は昭和女子大学の海外キャンパス「昭和ボストン」への留学と、商品やサービスの企画提案・ビジネスプラン・事業改善・政策提言などのプロジェクトを通し、グローバルに活躍するための知識と能力の習得をめざしています。国際経済論を担当する飛田史和教授は、講義や演習に日本経済新聞社の英文ニュースメディア『Nikkei Asia』を活用、飛田教授にその導入の経緯と効果、学生の反応などをうかがいました。

最新の「Nikkei Asia」特別講義&質問・交流会の様子はこちら

講義の窓口を広げ、関心をつなぎたい 履修促すセールスポイントにも

--- Nikkei Asia導入の経緯について教えていただけますか。

 ビジネスデザイン学科は総合大学でいう商学部・経済学部・経営学部の学問領域からビジネスに直結する分野を選りすぐり、そのうえで、英語でビジネスを学ぶことに特化しています。2013年の学科設立から8年が経ちましたが、この間、学生数は着実に増加し、偏差値も上がってきました。「ビジネスと英語」という明確な教育方針を謳っているため、志望者の多くも「マーケティングをやりたい」「起業したい」といった明確なビジネス志向を強く持って入学してきます。
 しかし、毎年、年度の途中から講義に出席しなくなる学生が一定数、どうしても出てきます。ほかのどの講義でも起こりうることであり、一定の教育レベルを保った講義を提供するという大学教育の「本質」からいえば、「脱落者」が出ることも仕方のないことですが、等閑視しているわけにもいきません。
 講義の間口を広げ、関心をつなぎ、出席を継続させて教育効果を高める策を考えているとき、世界の最新ニュースを英文で取り扱うNikkei Asiaを知り、「ビジネス」と「英語」というコンセプトを実感してもらう教材としてマッチするのではないかと判断しました。選択科目である国際経済論の履修を促すためのセールスポイントという点でもその有効性を感じています。

読みやすさに特徴 経済に強く、生きたトピックから理論やモデル学ぶ

 Nikkei Asiaは、ほかの経済系ニュース媒体に比べて読みやすいのが特徴です。英語を読みこなすという意味では、たとえば、ニューヨーク・タイムズやジャパンタイムズといった英字新聞もありますが、Nikkei Asiaは「経済ニュース」に強いという点でより講義内容に即しています。
 2019年度までの国際経済論では、毎回テーマに沿った経済理論やモデルを中心に講義していました。しかし、たとえば、「比較生産費説とはデヴィッド・リカードが……」と真正面から説明しても、学生にとっては正直とっつきにくい面もありました。学生の意欲を喚起するために、毎回の講義で現実の生きた経済トピックをとりあげ、そこから経済理論やモデルを知ってもらうという構成で考えたとき、その背景をより正確に理解できるツールとして、リアルタイムでニュースや解説、コラムがコンテンツとして流れるNikkei Asiaは最適と考えました。
昭和女子大学の留学制度
 
昭和女子大学は米国ボストンでネイティブの教員による経営学、経済学などコンテンツを英語で学ぶ「昭和ボストン」を30年以上運営している。ビジネスデザイン学科の学生は、原則として全員2年次に留学して「使える」英語力を養う。2020年は新型コロナウイルスの影響で、学生をボストンに送ることができなかったが、2021年は昭和ボストンの講師陣による「オンライン留学プログラム」という日本に居ながらにして留学できる新しい取り組みを開始した。

講義テーマに沿って、最新ニュース紹介 学生は読みこなし、毎回レポート

---授業の中で、どのようにNikkei Asiaを利用されていますか。

 Nikkei Asiaのメリットを活かすため、私は次の2点を重視し、教材に活用しています。
①学生の関心に沿った演習を提供する
②日本では得られない情報を使いこなす
 担当する「国際経済論」では毎回、テーマについて講義した後、引き続きNikkei Asiaから関連する最新ニュースを紹介します。学生は記事を読みこなしたうえで、レポートを毎回、英語で作成します。日本経済新聞社に協力いただいた特別講義では、海外で取材経験のある社員にゲストとして登壇してもらい、具体的な記事をとりあげながら、報道に見る現地視点の重要性を解説いただきました。
日本経済新聞社社員のオンライン特別講義

コンテンツの理解と英語力の向上は相乗効果を生む

 Nikkei Asiaの記事を読みこなして英語でレポートを作成するという作業はその都度、英語と経済学という「二重の理解のハードル」を飛び越えていくことを意味します。学生にとってはそれなりに大変かもしれませんが、実はこのハードルは二重ではないのです。英語の原典に直接接することで、経済の論理やニュアンスへの理解が深まり、コンテンツを理解することにより英語の表現力が磨かれます。この二重のハードルは実は「相互補完的」です。つまりNikkei Asiaを読むことにより、国際経済を理解する能力とグローバルに英語を使いこなす力を同時に高めることができるという点がポイントです。
 たとえば、外国の方が日本語を学習し、読み書きができるようになっても、日本の風土や文化、経済などを知らなければ「仏は作ったが魂を入れるのはこれから」ということになります。語学はあくまでも手段です。コンテンツを理解する際に英語を使うことではじめて実践的な英語力が磨かれるというのは、私自身が米国の大学院に留学した際にも実感したことです。
 英語媒体に触れ、自分の頭を使って英語でアウトプットすることは、オンライン講義となった現状でより効果的だったと感じています。学生にとってオンライン講義は集中力を保つのも一苦労ですし、教える側からみれば、個人差が出やすくなります。その部分をNikkei Asiaを使うことでうまく対処できたと思います。

学生の8割が「講義終わっても読み続けたい」 就活面談に自信、時事問題対策にも

---学生の反応はいかがですか。

 すこし大袈裟な物言いになりますが、2020年以降のコロナ禍は、「大学の講義とは何か、教員が教えるべきことは何か」が問われる状況だったと思います。そのなかで、Nikkei Asiaの果たす役割を私は学生の自発性に火をつけるという意味でポジティブにとらえていますし、学生も同様にポジティブに受け止めてくれていると感じます。日常的に講義で触れていると、就職活動の面接の際にも「英語でビジネスを学んだ」と自信を持って言えるようになりますし、筆記試験の時事問題対策にもなっているようです。
 実際、2020年に国際経済論を履修した学生を対象にアンケートを行い、生の感想を聞き取りました。主な結果は次のようになっています。
①講義を受けるまでに、Nikkei Asiaを読んだことがありましたか?
はい:7.1% いいえ:92.9%

②Nikkei Asiaの記事の単語や英文について、感想を教えてください。
とても容易 ふつう とても難しい
0.0% 0.0% 35.7% 57.1% 7.1%

③どのようなサポートがあればNikkei Asiaを読みやすくなりますか?
日本語の記事要約:50%  英単語の意味や和訳:42.9%

④普段、ニュースをどのように収集していますか?
 新聞 テレビ SNS ニュースサイト ニュースアプリ
14.3% 21.4% 57.1% 7.1% 0.0%

⑤国際経済論の講義が終わっても、Nikkei Asiaを読みたいと思いますか?
全く読みたくない ふつう ぜひ読みたい
0.0% 0.0% 30.8% 53.8% 23.1%
(理由)
・現地の視点からニュースを読んでみたいから
・日本だけの視点ではなく、幅広い視点の記事を見たいと思ったから
・英語の勉強にも国際経済を理解する上でもとても良いサービスだと思うから
・留学に備えて、英語に慣れたいから
・日本国内で目にするニュースとは別の記事を読むことができるため。客観的な意見である気がする

グローバル意識高まる 海外現地の視点で広がる視野、接触意欲へ

オンライン授業の様子
 アンケート結果を分析すると、学生のほとんどは英語で経済ニュースに触れるのは国際経済論を学ぶときのNikkei Asiaが最初だったということになります。このため、Nikkei Asiaを読みこなすことは、記事の要約や単語解説を利用したいと思うくらいの学生にとってはハードな作業です。普段、ツイッターやLINEニュースなどのSNSでニュースを収集している学生にはデジタル新聞の形式でニュースに触れるのも新鮮な経験だったでしょう。
 ただ、こうした経験をすることで、学生の「グローバル」への意識を高める効果を生み出したと感じています。Nikkei Asiaは国内の視点だけでなく、海外の現地の視点を提供し、視野を広くしてくれる媒体だけに、講義が終わっても、機会があれば触れていきたいという意欲が生まれたことがわかります。

学生向け「仕掛け」あれば… クイズやゲーム、SNS連携など

---Nikkei Asiaをより活用しやすくするために、改善すべき点やご希望を教えてください。

 学生向けの「仕掛け」というか、記事を読むインセンティブを用意していただけるとありがたいですね。たとえば、クイズであったり、達成感の得られるゲーム的な楽しみがあったりすると良いのかなと思います。LINEで週に一度ニュースを配信していると聞きましたが、配信回数や学生への告知方法が増えるといいと思います。
対面での講義の様子
(2021年3月26日 更新)
2021年12月開催「Nikkei Asia」特別講義&質問・交流会
 昭和女子大学のグローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科で国際経済論を担当する飛田史和教授の授業で、2021年12月3日、日本経済新聞社の英文ニュースメディア「Nikkei Asia」を活用した特別講義が行われました。記者経験のある日本経済新聞社グローバルユニットの清水泰雅氏が『Nikkei Asiaで読む中国・習政権の針路―「核心的利益」が示す妥協なき拡大政策』をテーマに講義。参加した学生にアンケートを実施し、12月17日、寄せられた質問などをもとに交流会も行われました。詳細はこちらをご覧ください。

プロフィール

大学名 昭和女子大学
創立 1920年
所在地 東京都世田谷区太子堂1-7-57
学生数 大学 6,190人 大学院 117人 (2021年度)
学部・大学院 国際学部 グローバルビジネス学部 人間文化学部 人間社会学部 食健康科学部 環境デザイン学部
【大学院】文学研究科 生活機構研究科(保育・福祉施設経営、マネジメント/消費者志向経営が学べる【大学院1年制コース】2021年4月新設)
Webサイト https://univ.swu.ac.jp/

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