マーケティング演習に参加した5チームは日経POS情報「POS EYES」によるデータ分析を駆使して、金沢の商店街で売れる新商品・サービスの開発・販売に取り組みました。また、STP、4P、SWOT(※)分析などのマーケティング理論をベースに事業計画を立案し、生産コストの内訳や、予想売上と売上総利益まで算出しています。
アイスとお菓子を組み合わせたパフェを開発したチームは日経POS情報のデータから、「石川県はアイスと和菓子の消費率が全国1位で、甘党の人口が多い」というところに着目しました。
アイスクリームを開発したチームは同じく日経POS情報で「アイスクリーム購買層の1000人当たり金額が北陸は全国の約1.5~2倍」「上位にはバニラ・チョコが多い」というデータ分析に加え、日経テレコンで探し当てた「金沢市民はアイスを食べる人が多い」「加賀藩が栄えた江戸時代に茶の湯文化が浸透したことで、甘いものが好まれるようになった」という記事も事業計画の論拠としています。
大学芋とアイスクリームの組み合わせを考えたチームは日経データの分析から、「2019年7月~10月までに、『限定』を商品名に含むチョコレート製品を分析したところ、全国、北陸のABC分析ランキング4位に安納芋味がランクインした」ことに着目します。
さらにEXCELで「限定」を商品名に含むチョコレートの1000人当たりの金額と平均価格の図を作成したところ、北陸は他地方と比べて圧倒的に金額が少ないことがわかり、そこに市場の「伸びしろがある!」と判断して商品開発に取り組みました。
ちなみにアイスクリームの案が多数だったのはちょうど予定していた模擬店出店が真夏の7月末だったという季節要因もあります。
各チームが作成したプロモーション動画もユニークで、笑いを交えたコミカルな動画の(大学芋&アイスクリームの開発チーム)、ジャズのBGMに乗せてスタイリッシュに見せるボトルドリンクの作り方(ボトルドリンク開発チーム)、商品の美味しさ、メリットとチームのメッセージをふんだんに盛り込んだアイスクリーム開発チームなど、どれもプロ顔負けの完成度の高いものでした。
商店街の方からも好評をいただき、また、商品の売上予想なども出していただいて、その結果をもって、実際に出店して得る予定だった収益の代替としました。
(※)
「STP」:セグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)
「マーケティングの4P」:製品(Product)・プロモーション(Promotion)・流通(Place)・価格(Price)
「SWOT分析」:強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)