NIKKEI Media Marketing

甲南大学

導入事例 Case Study
図書館・サイバーライブラリ事務室<br />
課長補佐 高野 重成 氏、今野 智子 氏

「日経テレコン」習得を、
大学独自の評価制度の要件に採用

甲南大学

図書館・サイバーライブラリ事務室
課長補佐 高野 重成 氏、今野 智子 氏

導入しているサービス
  • 日経テレコン(教育機関向け)
  • NEEDS-FinancialQUEST(教育機関向け)

 甲南大学は、8学部大学院4研究科1専門職大学院を擁し、世界的研究・教育拠点を目指す学部・研究科や研究者・高度専門職業人の養成をめざす研究科・専門職大学院、その他研究教育関連センター等をもつ総合大学です。大学の教育方針の根本には、学園創立者平生釟三郎が主唱した「人格の修養と健康の増進を重んじ、個性を尊重し、各人の天賦の特性を伸長させる。」という建学の理念があります。この理念のもと、甲南大学は、教養と専門とのバランスを大切にしながら人物重視の教育をおこない、良質な社会的常識・倫理観・品格を備え、自ら率先して社会に貢献できる専門性を持った人材の養成をめざしています。

まず「日経テレコン」導入のきっかけと現在の利用状況についてお聞かせください

 本学図書館では、日経テレコンを2003年に導入しました。他社に先駆けて新聞記事の検索サービスを提供されていたこと、情報量も圧倒的に豊富であることなどが導入の理由であったと、当時の担当者から聞いています。

 図書館では、まず新年度のガイダンスの中で日経テレコンを紹介し、その後、各講義の中で導入されていきます。学内において幅広く使えるようにしているため、個別の利用状況の詳細までは把握していませんが、学部やキャンパスを問わず、各先生方が非常に多様に活用されており、学内ではもっとも基本的なオンラインデータベースとして認識されています。

 例えば企業経営に関する講義の中では、講義内容に関連する事例を企業検索から探し出すといったケースなどが挙げられます。また、就職活動時の時期には学生が企業研究にも活用しています。

有効に活用してもらうために図書館ではどんな取り組みをされていますか

 学生が最初から自分でデータベースを見つけて使うというケースは稀ですので、図書館からの情報発信は大切です。基本的には一回生の基礎ゼミで案内するケースが多いので、その場でデータベースの存在を知ってもらい、4~6月頃のガイダンスを受講して利用方法を覚えてもらいます。

 ガイダンス後は、データベースのアクセス数が順調に右肩上がりで伸びており、アンケートでも「ガイダンスで紹介されて初めて知った」「ガイダンスで使い方がわかったので、これから積極的に使っていきたい」という声がよく聞かれます。

 実際、記事検索や企業情報検索に関しては、アクセスの方法さえわかれば自在に使いこなしてもらえているようです。意外なことに、ガイダンスを受けた学生からその後、利用方法などについて追加の質問を受けることは非常に少ないのです。日経テレコンの検索機能がそれだけ初心者にも使いやすいからだと思いますが、図書館としてもガイダンスで入り口さえ設ければ特別なフォローも必要ありませんので、負担に感じることはほとんどありません。

甲南大学独自の「KONANライブラリ サーティフィケイト」という取り組みの中で、日経テレコンとNEEDS-FinancialQUESTを活用いただいているそうですね

 甲南大学では、2015年より学業成績では表すことのできない学生の個性を可視化する大学独自の評価制度「KONANサーティフィケイト」を設けています。各サーティフィケイトで1級・2級・3級の要件が準備されており、その要件を満たした学生に、対応する等級を授与します。2016年8月時点で、国際交流センターの「KONAN グローバル サーティフィケイト」、図書館の「KONAN ライブラリ サーティフィケイト(LC)」が実施されています。

 図書館が行っている「KONAN ライブラリ サーティフィケイト(LC)」では、読書習慣や表現力、情報探索能力の習得を目標にしています。本の魅力を紹介し、図書館情報を活用して図書館を使いこなし、問題を解決する力を有すると認められた学生に、LCを授与します。

 LCも3級~1級までレベルを設定していますが、2級以上になると専門的なオンラインデータベースなども駆使して必要な情報を入手し、活用できる技能の習得が求められます。日経テレコンとNEEDS-FinancialQUESTについては、日経メディアマーケティングの講師による、より専門的なガイダンスを実施してもらっていますが、そのガイダンスの受講も要件の一つにしています。

 本学では、個々の学生の能力を引き出しながら「21世紀型グローバルリーダー」として活躍できる人材育成を目指しており、在学中に卒業後も役に立つ技術を身に着けてもらいたいと考えています。「KONANサーティフィケイト」はその目標を達成する取り組みです。そこで日経テレコンを活用している理由は、導入している企業も多く、日経新聞という大きな企業情報を持つ新聞社の情報ですので、大学時代から慣れておくことは学生の将来にとって有益だと考えているからです。

「日経テレコン」に関してのご意見やご要望はありますか?

 例えば企業情報を検索した場合、学生は業績だけを見て優良企業と判断しがちですが、業績が良くても社員にとっては働きやすい環境の企業ではない場合もあります。そうした場合、実際の企業風土やそこで働く人の生の声をどう拾うかということが課題になってきます。日経テレコンは、質、量ともにすぐれたデータベースですが、ガイダンスの際に、具体的に企業を比較する際のポイントや事例研究などにも踏み込んで説明していただければ、なお良いと思います。

 また、本学は神戸にありますので、地方ニュースだけ切り出して検索したいというニーズもあります。就職活動では、地元の経済情報や地元企業、特に地元の優良中小企業に絞って情報収集したいという声が多く、地域に出て学習する機会もありますので、地域情報へのニーズは非常に高いです。日経テレコンでももちろん、地方ニュースや地方の企業情報の検索は可能ですが、今後こうした情報の一層の拡充をしていただけると学生にも喜ばれると思います。

甲南大学では、図書館を研究発表の場としても活用されているそうですね

 様々な企画を提出して採択されたものを学長主導で行う「甲南プレミアプロジェクト」という取り組みがありますが、その一環で知能情報学部が「ロボット学びプロジェクト」というのを進めています。図書館の入り口に犬型案内ロボットの「KoRo」を、2階のヘルプデスクにアンドロイドを設置し、図書館の一次案内に利用しています。どちらも知能情報学部が製作したロボットですが、プログラミングやメンテナンスは学生が行っており、図書館は場所と環境を提供するという形で協力しています。

 図書館という環境の中で何をしたら役に立つかということを考えてロボットを動かすため、研究室に置いておくよりも有効性が高まるようです。こちらからも意見や要望を出したりしています。

アンドロイドの写真

今後の図書館の役割をどのようにお考えですか

 図書資料を収集して保存し、提供するというのが、基本的な図書館の使命ですが、いいインプットがあってこそ、いいアウトプットになるということは訴えていきたいところです。そのために図書館としては、今後もいいアウトプットにつながる有益な情報の提供に力を入れていきたいと考えています。そのためには図書館の蔵書や資料と合わせ、日経テレコンをはじめとするオンラインデータベースサービスを、学生・教職員問わず大いに活用してもらいたいですね。

甲南大学1号館の写真

本日は、貴重な時間を頂戴いたしまして、ありがとうございました

(日経MM情報活用塾メールマガジン10月号 2016年10月24日 更新)

プロフィール

大学名 甲南大学
創立 1951年
所在地 兵庫県神戸市東灘区岡本8-9-1
学生数 約9,048人(2015年度)
学部 文学部、理工学部、経済学部、法学部、経営学部、知能情報学部、マネジメント創造学部、フロンティアサイエンス学部
Webサイト https://www.konan-u.ac.jp/

関連情報

関連するサービスの一覧