NIKKEI Media Marketing

導入事例

導入事例 Case Study
金津有紀子 氏 西 満美 氏 北澤智子 氏

就活に、学術研究に、フル活用
きめ細かな「導入講習」が刺激

中央大学

図書館事務部閲覧課 副課長 金津有紀子 氏(右)
図書館事務部閲覧課 レファレンス・情報リテラシー教育担当 副課長 西満美 氏(中央)
キャリアセンターキャリア支援課 北澤智子 氏(左)

導入しているサービス
  • 日経テレコン(教育機関向け)

 東京都心部と多摩地区にキャンパスを持つ中央大学は、企業情報から経済・ビジネス情報まで幅広く検索できる「日経テレコン」を学術研究や就職活動などさまざまな場面で活用している。学生たちにデータベース活用のガイダンスを行っている図書館と、実際に学生から就活の相談を受けているキャリア支援課の担当者に、日経テレコンの利用状況や課題についてうかがった。

「まず新聞を読む」習慣づけに利用 強みは「深さ」、「広さ」と「信頼感」

--- 「日経テレコン」導入のきっかけと現在の利用状況についてお聞かせください

 中央大学では1986年に従量制で提供されていたNEEDS-IRの時代から導入しています。日経テレコンが定額制やIP認証方式の採用などサービスを拡充するたびに、教員や学生から「アクセス数や場所を気にせず自由に利用したい」との要望が寄せられていたこともあり、より活用される方式に変更し、主力のデータベースの一つとして、利用を継続してきました。

--- 具体的には、どのような形で利用してきたのでしょうか。

 多摩キャンパスは人文・社会科学系の学部が中心ですが、「新聞を読む」という、学生の基礎的な教養を養うツールとして使っています。また、キーワード1つで過去から現在までの数十年におよぶ新聞を簡単に検索し、何百件、何千件というデータを収集することができますので、教員が研究ツールとしても活用しています。近年では学生の就活で企業・業界研究の情報収集をするケースが増えており、一般の就活サイトとは違った情報収集ができる強力なツールになっていますね。
 日経テレコンの強みは企業・業界情報、マクロ経済などの経済情報を調べていきたいとき、記事検索や企業検索、業界情報、各種データなどを使って1つのデータベース内で調査を広げていけるところかと思います。経済やビジネス情報に強い日本経済新聞社が提供している情報サービスという信頼感もあって、利用している方が多いようですね。
金津有紀子 氏

就活セミナーwith日経テレコン、図書館とキャリアセンター共催で参加者4割増

--- たくさんの学生や教職員の方に利用してもらうための工夫を何かされているのでしょうか。

キャリアデザインシート
 まず、多摩キャンパスに所在する6学部及び国際情報学部の1年次に設置されている演習系科目内の1コマ(2019年度から100分)で情報検索の方法を学ぶ講習会を実施し、毎年4000人ほどの学生が受講しています。そのなかで、新聞を紹介するコーナーとして、法学部・経済学部・商学部の学生には主に日経テレコンを紹介しています。
 演習では実際に一人一人の学生が日経テレコンを操作し、検索方法などを体感してもらえるようになっていますので、講習の後は爆発的にアクセスが伸びます。
 講習に同席した教員が、それを参考に授業で課題を出されるケースもあります。たとえば「海外進出をしたものの、撤退した企業を1社選んで調査し、その原因と分析結果をまとめなさい」という課題が出た場合など、日経テレコンはまさにその解を探すのに適したデータベースになります。まず、記事検索で「海外進出 撤退」というキーワードで該当する企業をピックアップし、そのなかから自分に興味のある企業を選びます。そして、それらの候補について企業検索などで深く調べて候補を絞り込み、1社を選んだら業績の推移などを調べ、分析するという具合です。
 別のアプローチとして、2013年からは就活情報活用セミナーを開催し、そのなかで日経テレコンの活用方法についても説明しています。講師は日経メディアマーケティングの担当者にお願いしています。我々が講師になると、学生と同じ利用者の立場から説明をする講習会になってしまいますが、日経メディアマーケティングの方が講師として話す講習会は、学生に対しても大変、説得力があります。
 さらに2018年の11月からはキャリアセンターと共催というかたちでセミナーを開いています。やはり図書館主催のセミナーにしてしまうと、たくさんの学生を引き付けにくいのですが、キャリアセンターは、自身のキャリア形成や就職活動に意欲的な学生が積極的に利用する部署ですから、そこと共催で、かつキャリアセンターから様々な方法で情報発信してもらうことで、より学生の参加者を増やすことができています。実際、全体として昨年比37%の参加者増につなげることができました。参加した学生の評判も良く、日経テレコンの講習会はその後のアンケートでも「大変満足、満足」という回答が約90%を占めています。

検索スキル向上へ、講習からヒント できるだけ多くの企業名に触れてほしい

--- 講習を受けることで、学生の検索スキルも向上しているということですね。

 そうですね。たとえば「今伸びている企業」を探すのに、「最高益 更新」などの検索語はなかなか学生にはパッと思い浮かばないと思います。そこでまず基礎演習では講師の方からこうした検索のヒントをいただきながら、できるだけ多くの企業名に触れてもらうようにしています。また、就活やインターンシップなどを意識した3年生にも、企業や業界の情報をキーワードで検索できる日経テレコンの強みを活かし、そこからできるだけ多くの情報を得るようにと伝えています。すでに導入演習で触れているためか、キーワード検索についてはほとんどの学生が認識していますが、講師の方からあらためてキーワード検索のヒントを紹介していただくと、「こんな検索の仕方があるのですね」というように新たな発見があるようです。
北澤智子 氏

スマホニュース依存には注意 今後のキャンパス再編、データベースの意義より重く

--- 今後、どのような活用法や、学生の利用数を増やしていく方法をお考えですか。

 いまの学生はスマートフォン(スマホ)で検索し、レポートの作成もスマホで行いたいというくらい、スマホですべてを完結させたいと考えている人が多いように見受けられます。スマホで得られるニュースにもさまざまな種類があり、日本経済新聞電子版をはじめ大手新聞社の情報も一部は無料で見られますし、検索サイトのニュースなどでも途中までなら新聞社のニュースの内容が掲載されているという状況です。そこで、データベースの機能を説明する前に、まずは多くの情報のなかから、信頼できる情報とはどういうものかということを講習などの場で説明していく必要があると思っています。
 また、教員の中には、日経テレコンがIP認証で自宅から使えるということをつい最近までご存じなかった方もいらっしゃいます。アップデートされた機能の情報などは随時、利用する学生や教員の方々に告知していかないと、せっかくの活用の機会を逸してしまうことになりますので、広報、告知活動は引き続き強化していきたいと考えています。
 それからもう1つ、中央大学は現在、「Chuo Vision 2025」という中長期事業計画のもと、26年ぶりに国際経営学部、国際情報学部という新学部が始動し、キャンパスの再整備計画も推進しています。今後、多摩キャンパスに文系学部が集中するというかたちも徐々に変わっていくことが想定され、物理的な場所に縛られないデータベース上の情報を利活用する機会がさらに増えていくことと思います。こうした状況を想定し、データベースにいままで以上に親しんでいただけるよう努めてまいります。
西 満美 氏

--- 本日は貴重なお話をありがとうございました。

(日経MM情報活用塾メールマガジン7月号 2019年7月24日 更新)

プロフィール

大学名 中央大学
創立 1885年
所在地 東京都八王子市東中野742-1(多摩キャンパス)
東京都文京区春日1-13-27(後楽園キャンパス)
東京都新宿区市谷本村町42-8(市ヶ谷キャンパス)
東京都新宿区市谷田町1-18(市ヶ谷田町キャンパス)
東京都千代田区神田駿河台3-11-5(駿河台記念館)
学生数 26,205人(2019年5月1日現在 学部、大学院、専門職大学院含む)
学部 法学部、経済学部、商学部、理工学部、文学部、総合政策学部、国際経営学部、国際情報学部
Webサイト https://www.chuo-u.ac.jp/