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立命館大学/総合企画部 広報課

導入事例 Case Study
総合企画部広報課<br />
課長 五坪 智彰氏

「選ばれる学園」めざし長期ビジョン推進
ブランド力の変化・比較を常にチェック

立命館大学

総合企画部 広報課 課長 五坪 智彰 氏

導入しているサービス
  • 大学ブランド・イメージ調査

 立命館大学が改革を加速させている。海外の大学との連携を強化したり、「食マネジメント」など新しい研究テーマや社会のニーズに沿った学部や学科を創設したりするなど、少子化が一段と進むなか、時代の変化に対応し「選ばれる」大学をめざす取り組みは国内の大学にあって改革派のリーディング・ユニバーシティとして注目を浴びる存在だ。「大学ブランド・イメージ調査」(日経BPコンサルティング)を活用し、その先進的なブランドづくりにも関わっている、総合企画部広報課の五坪智彰課長に、改革の狙いと進捗を聞いた。

立命館大学...明治、大正、昭和の近代日本を代表する政治家・国際人である西園寺公望が1869年、私塾「立命館」を京都御苑に創設したことから始まる。建学の精神を「自由と清新」、教学理念を「平和と民主主義」とし、関西を代表する総合大学に発展した。現在、2020年に向けた長期ビジョン「R2020」を推進中で、「知の創造拠点の形成」「教育・研究におけるグローバル化の推進」など7つの基本目標を掲げる。

18歳以下の人口が減少し、学生の確保も厳しさを増していますが、立命館大学は長期ビジョン「R2020」を掲げ、教育環境の整備とその発信に努力されています。

 2020年以降も「選ばれる学園」であり続けるために、2020年に立命館がめざす姿を示す学園ビジョン「R2020」を策定しました。前半期の5年を終え、現在は2020年度までの後半期の計画を進めています。学生や生徒の資質や素養、置かれている環境も急速に変わりつつあります。取り組む課題は際立った教育・研究水準の確立と社会貢献の強化です。

 

 教育・研究面ではグローバル・多文化社会のなか、教育の質の向上をどう図るか、大学院も含めた研究の高度化をどう進めるかなどが課題です。社会貢献では生涯学習の観点から、社会人の学び直しに大学の知的資産や資源をどう活用していくかなどがあげられます。こうした課題への取り組みを通してグローバル社会におけるステータスの確立に全力を尽くしていきます。

 
立命館大学「R2020」のサイトへ

具体的な成果を紹介してください。

 「アメリカン大学(米国ワシントンDC)・立命館大学国際連携学科」が2018年4月からスタートします。立命館大学は1988年に国際関係学部を開設し、国内での教育・研究の国際化をリードしてきました。すでに学生交流や交換留学プログラムなどで実績のあるアメリカン大学と学部間のジョイント・ディグリー(JD)・プログラムの検討を進め、このたび、文部科学大臣の設置認可を受け、実現することになりました。両校で共同のカリキュラムを学び、JDを取得するものとして、日本では初の学科となります。学生(定員25人)は京都とワシントンDCで2年間ずつ、グローバル国際関係学を学び、学位を取得します。

 

 2つめはオーストラリア国立大学(ANU)と協定を結び、共同で「グローバル教養学部」を2019年4月の設置に向けて構想しています。日本とオーストラリアにある両校のキャンパスで、広く国際教養を学び、2つの大学で学位を取得します。立命館大学から履修を始めた学生は、1~2年生と帰国後の4年生の3年間は日本の「大阪いばらきキャンパス」で、3年生の1年間はオーストラリア・キャンベラのキャンパスで学びます。両大学で学位が取得できるデュアル・ディグリー・プログラム(DD)で、授業はすべて英語。国際社会で活躍できる人材の育成につながるものと期待しています。1学年100名を予定しています。

 3つ目は2018年4月から「びわこ・くさつキャンパス(BKC)」でスタートする「食マネジメント学部」です。今、世界は食をめぐる様々な課題に直面しており、食に関する深い教養や最新の科学技術に関する専門的な知識が必要です。同学部は社会における食のあり方や食の文化的・歴史的な背景、そして自然科学を学びながら、「マネジメント」「カルチャー」「テクノロジー」の3つの領域を総合的に捉え、課題解決のための知識・実践・発信を学びます。

 

 食マネジメント学部では、料理とホスピタリティ教育におけるグローバルリーダーでパリに本部を置く「ル・コルドン・ブルー」と連携し、国際的に通用する修了資格を取得できる特別プログラムを実施します。ル・コルドン・ブルーの講師から直接、専門的な授業を受けることができ、国際感覚も身につけられます。日本国内でル・コルドン・ブルーとの本格的な提携は同学部が初めてとなります。

 

 4つ目は大学院改革の一環として、総合心理学部を基礎とする大学院、人間科学研究科を2018年4月に開設します。同研究科では臨床心理士対応プログラムの募集枠を15人から25人に拡大、それに伴い臨床心理士16人と対人援助・基礎心理の教員を含めて計42人体制を取ります。国内の大学では有数の規模を誇ります。2017年に国家資格(試験実施は2018年からの予定)となった「公認心理師」の認定プログラムにも対応します。今後もグローバルな視点や医療分野の多様なニーズに応える新しい学部、学科の開設にもフレキシブルに取り組んでいきます。

 
 

 

総合企画部広報課<br />
課長 五坪 智彰氏

「大学ブランド・イメージ調査」を2012年から利用しています。その理由と導入後の変化や効果などがありましたら教えてください。

 広報的にはブランド力を測る客観的な指標として活用させていただいています。大学は学生やその保護者をはじめ、教育関係者や官公庁・自治体、産業界などステークホルダーが非常に多いので、その結果を各層の方々にしっかり受け止めていただく必要があります。特に、経年的にデータを提供してもらえるのが魅力で、他大学との比較が分かりやすく、コミュニケーション活動や大学が発信する資料作成にも役立っています。

 

 立命館学園は小学校から大学までを含む一貫教育に取り組んでおり、この調査を基にさまざま検討を行っています。「R2020」のプランを立てる際にも資料として活用させていただきました。

 

 私学ですので、建学の精神や教学理念に基づくイメージの認知を高めたい。現在、「Beyond Borders」のテーマを掲げ、何事にもチャレンジし、イノベーションを積極的に推し進める大学としてのイメージをつくることが大事だと思っています。

 

 可能であれば、5年くらいのスパンで、大きな改革の前後でイメージや評価はどう変わったのか、経年的に知ることができればと考えています。

昨年8月に実施した「<近畿編>大学ブランド力ランキング(ビジネスパーソンベース)TOP20」で、立命館大学は5位でした。前回よりワンランクアップしました。

 グローバル化を進めていくなかで、海外からの評価がアップすることを期待しています。2000年4月に大分県別府市に開学した「立命館アジア太平洋大学(APU)」では世界86カ国・地域から約2900人の国際学生が学んでいます。今までの大学教育の枠組みにとらわれない独自の教育システムを構築し、国際社会で活躍できる人材育成に貢献しています。立命館大学でも、英国、インドをはじめ中国・北京、ベトナム(開設予定)など、海外の拠点を今後も増やしていく予定です。海外からの留学生受け入れや本学からの留学生派遣も積極的に推進していきます。

大学ブランド・イメージ調査の個別報告会では、私たちが着目する経年変化、変遷をまとめていただいており、大変、参考になっています。

本日は、貴重な時間を頂戴いたしまして、ありがとうございました

(日経MM情報活用塾メールマガジン11月号 2017年11月29日 更新)

プロフィール

大学名 立命館大学
京都法政学校を前身とし、2020年に創立120周年を迎える、私立総合大学。現在、京都(衣笠、朱雀)、滋賀(びわこ・くさつ)、大阪(大阪いばらき)の3府県4キャンパスにおいて、14学部21研究科を展開している。2018年4月には、新たに食マネジメント学部(びわこ・くさつキャンパス)、応用人間科学研究科を再編した人間科学研究科(大阪いばらきキャンパス)の設置を予定している。
創立 1900年
所在地 京都府京都市北区等持院北町56-1(衣笠キャンパス)
学生数 36,048人(2017年5月現在)
学部 法学部、産業社会学部、国際関係学部、文学部、映像学部、経済学部、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部(2018年4月開設)、理工学部、情報理工学部、生命科学部、薬学部、経営学部、政策科学部、総合心理学部
Webサイト http://www.ritsumei.ac.jp/

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