2017年12月27日(水)発売
医療・健康や地域創生といった社会課題の解決とも密接に結び付きながら、その定義を拡大し、多くのステークホルダーを巻き込むことになる、超成長市場のスポーツビジネス。中核となる6分野の重要25テーマに加え、今後さらにスポーツと関係を深める10の産業、そしてグローバルの動きについて未来像を提示します。
中長期計画や会議資料、取引先への企画書にデータを部分転載できる、未来予測ツールです。関連するレポートは、2,000を超える企業の経営企画・R&D・事業開発部門や大学・研究機関で活用いただいています。
●スポーツビジネスのアジアシフト
●既存産業への影響
●IoTと人工知能の最前線
●スタジアム/アリーナ/テクノロジー/エンターテインメント/地方創生/まちづくり/ダイバーシティー/医療・健康/教育
ビジネスチャンス | 自動車/素材/流通/ツーリズム(旅行・観光)/金融/医療・健康/ICT/電機・ハイテク/マーケティング/メディア |
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グローバル | 北米/欧州/アジア/中国/その他(アフリカ・中東・中南米) |
今後10年でスポーツビジネスは大きく変容する。その核となるのは、(1)ICT活用の拡大、(2)アジアシフト、(3)ダイバーシティーの進行という3つのメガトレンドだ。先端技術開発のけん引役、アジアで急増する中間層を取り込む入り口、そして身体、年齢、性別、働き方など多様な価値観のボーダーを越える取り組みの象徴として、スポーツビジネスはその活躍の場を広げていく。
スポーツイベントを支えるスタジアムやアリーナは、高密度WiFi(無線LAN)やデジタルサイネージ、AI、テレビ局並みのデジタル映像編集機器など先端ICTをふんだんに取り入れたスマート化が本格化する。この動きを軸に様々なエンターテインメントや、周辺地域の各種産業を巻き込んだまちづくりの中核基地の役割を果たすようになっていく。日本ではコストセンターの印象が強いが、欧米を中心にスタジアムやアリーナは巨大な収益マシーンとしての位置付けに変貌を遂げつつあり、そのマネジメント手法はさらに高度化していくことになる。
ICTやメカトロニクスを中心にした先端テクノロジーは、スポーツビジネスで欠かせない存在になる。スポーツ関連の技術開発は、「人間」という生体を対象とする最後の秘境。AIやIoT、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)など先端テクノロジーのけん引役・ショーケースとなり、医療・健康分野をはじめとする様々な分野のテクノロジー開発に大きな影響を与えるようになっていく。主な応用軸は「アスリートの競技力向上」と「新しいエンターテインメントの創出」。人間の脳を対象にしたブレインサイエンスや、ロボティクスの活用なども本格化し、スポーツ用品は3Dプリンターによるデジタルファブリケーションによってカスタマイゼーションが急速に進む。
スポーツイベントを中心とした「エンターテインメント」は、今後もスポーツビジネスの花形であり続ける。ただし、ICTの導入拡大によって、その様相は大きく変わっていく。ネット映像配信(OTT)やソーシャルメディアの広がりは、これまで「テレビ放送」を主としてきた放映権の概念を変えていき、それに伴ってライブイベントを観戦する楽しみ方も様変わりする。現場での生観戦、家庭での映像観戦に加わる第3の収益源を探る動きも出てくるだろう。収益源がシフトすれば、クラブ経営や企業のスポンサーシップ(アクティベーション)のあり方もそれに合わせた改革が進む。これまでスポーツとは考えられていなかったビデオゲームも、「eスポーツ」としてスポーツの新しい国際競技としての認識が当たり前になるなど、スポーツ・エンターテインメントの定義は大きく変わっていくだろう。
スポーツビジネスによる「まちづくり」によって地方活性化を目指す動きが、世界規模で本格化する。スタジアムやアリーナを中心とした都市再生や、スポーツ合宿や健康づくりを軸にしたスポーツツーリズムによる観光資源の開発など、スポーツビジネスは中長期を見据えたまちづくりの大きな基盤の1つになっていく。プロスポーツクラブや大学は、地域社会に根ざした存在として各地域のスポーツ熱やスポーツの取り組みを支える拠点としての役割を担うようになる。特に大学スポーツは、1兆円規模とも言われる関連ビジネスを抱える"先進国"米国の取り組みを参考にした動きが広がっていく。
スポーツビジネスは、ダイバーシティー(価値多様化)が進む社会の象徴として様々な分野に影響を与えていく。先進国で進む高齢化を背景に高齢者のスポーツやパラスポーツへの関心が高まり、そこで生まれた様々な方法論は医療・健康分野、バリアフリーの都市計画などに生かされる。ICTの活用や消費のニューノーマル化の広がりを背景に、フィットネスビジネスは老若男女の様々な層を対象とする形態の多様化が進む。「女性が活躍できる社会」を目指すムーブメントの先進分野として、「女性×スポーツ」の関連ビジネスが活性化する。「ことづくり」を中核とするスポーツビジネスの特性は各種産業のサービス化と結び付き、異業種との人材交流の活性化と同時に、新しい働き方のモデルケースとして注目を集めるようになる。
スポーツと教育に関わる分野は今後、新しいビジネスチャンスを生み出す原動力になっていく。初等教育から始まる日本型の学校体育プログラムや部活動の取り組みは、中間層の拡大と都市化の進行が急なアジアの新興国にとって国民のスポーツ振興・健康増進策として大きな関心の的だ。学校におけるスポーツ教育は、アスリートのセカンドキャリアの1つにもなっていく。エリートアスリート養成(ハイパフォーマンス)分野では、科学的なエビデンスに基づいて育成手法を確立する動きがこれまで以上に急速に進む。その中心となるのは、スポーツ医科学や、IoT、AI、ビッグデータ解析などのICTだ。2028年のロサンゼルス五輪をはじめ世界のメガスポーツイベントは今後10年のスケジュールが定まりつつある。そこに向けてハイパフォーマンス分野における手法の開発競争は激化し、パッケージ化によって新興国への輸出のチャンスが広がる。
10分野の産業をピックアップし、それぞれの産業分野が今後スポーツビジネスと関わり合い持つ接点を、萌芽となる豊富な事例を基に探る。
世界を5つの地域に分け、グローバルに広がるスポーツビジネスの最新事例を基に、それぞれの地域についての今と将来像を探る。
※目次は変更になる場合があります。
料金 | 30万円(税別) |
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監修 | 間野 義之(早稲田大学スポーツ科学学術院 教授/スポーツビジネス研究所 所長) 上野 直彦(スポーツジャーナリスト) |
執筆予定者一覧 (順不同) |
間野 義之 上野 直彦 上林 功(スポーツファシリティ研究所 代表取締役) 桂田 隆行(日本政策投資銀行 地域企画部) 鈴木 友也(トランスインサイト、代表) 橋口 寛(ユーフォリア 代表取締役/慶應義塾大学大学院SDM研究科 特任講師) 石井 宏司(スポーツマーケティングラボラトリー 執行役員) 葦原 一正(ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ 常務理事・事務局長) 松本 泰介(Field-R法律事務所 弁護士/早稲田大学 スポーツ科学学術院 准教授) 片桐 正大(名古屋OJA 代表取締役社長) 遠藤 謙(サイボーグ代表取締役/ソニーコンピュータサイエンス研究所アソシエイトリサーチャー) 高﨑 尚樹(ルネサンス 取締役専務執行役員) 小笠原 悦子(順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 教授/女性スポーツ研究センター センター長) 髙橋 義雄(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 准教授) 古屋 武範(クラブビジネスジャパン 代表取締役編集発行人) 石塚 大輔(スポーツデータバンク 取締役) 久木留毅(日本スポーツ振興センターハイパフォーマンスセンターハイパフォーマンス戦略部長/専修大学教授) 里﨑 慎(デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー シニアヴァイスプレジデント) 渡辺 史敏(スポーツジャーナリスト) Jinming Zheng(香港浸会大学) 浅井 忠美(日本政策投資銀行 地域企画部長) |
内容 |
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購入特典 |
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提供:日経BP/日経BP総研 未来研究所