NIKKEI Media Marketing

コロナに克つ!注目企業登場

工学知をベースに学問とビジネスをつなぎ、社会に「価値」を提供

構造計画研究所 代表執行役社長 服部 正太様

(動画再生時間 0:06:43)

聞き手 日経メディアマーケティング会長
  大村泰

取材日 2021年2月17日

煩雑な構造設計業務を業界に先駆けてコンピュータで効率化

--- 社名の由来と事業内容を教えてください。


 弊社の創業は1959年です。創業者の服部正(まこと)が東京工業大学の建築学科を卒業した後、電電公社を経て、服部正構造計画研究所を設立。これが1959年、株式会社構造計画研究所に改称されました。構造設計業務を主に行うという意味で名付けております。
 創業当初は、熊本城や小田原城など各地の城郭の構造設計を手がけておりました。当時の構造設計業務は手作業の構造計算を伴う大変煩雑なもので、その作業を効率化できないかと考えた創業者は業界に先駆けて当時最新鋭のコンピュータIBM1620を導入しました。
 これをきっかけとして、今日までにエンジニアリング向けのソフトウェア開発を行い、地震動(地震が引き起こす地表の揺れ)の解析や、情報・通信分野にも進出し、さまざまなエンジニアリングを通じた社会貢献に努めております。

--- 服部社長の経歴についてお聞かせください。


 私は大学時代からデータの計量分析など、社会工学分野の学問に取り組み、MIT(マサチューセッツ工科大学)に留学して、第2世代の人工知能の研究も行っていました。大学院を出た後、外資系の経営コンサル会社に入り、1987年に当社に入社しました。私は特に、社会事象に対する技術コンサルティングに取り組むため、社内に「創造工学部」という部門を立ち上げました。創造工学部では、マーケティング分析、リスクマネジメントシミュレーション、マルチエージェントシミュレーションなどを研究し、その工学知に基づくコンサルティング業務に従事しました。 この新しい分野の開拓を行い、2002年に社長に就任しました。

学問の世界とビジネス界をつなげるブリッジ企業として

--- 貴社の強みはどのようなところにあるのでしょうか。

構造計画研究所
 弊社は、創業の頃より学問知、経験知、組織知を統合した「工学知」を活用し、先進的な技術とビジネステーマに取り組んでまいりました。先述のとおり、構造設計から始まった技術コンサルティング会社ですが、その対象分野は構造設計のみならず、情報通信、あるいは私も手がけた社会事象に対するエンジニアリングなど、多岐にわたっております。また企業理念として「大学、研究機関と実業界をブリッジするデザイン&エンジニアリング企業」を掲げていますが、有用な技術を社会に実装、還元してこそ社会に貢献できると考えています。東工大からのスピンオフで生まれた大学発のベンチャーということで、 産学連携を重視しており、学問の世界とビジネス界とをつなげているところに、弊社の強みがあると考えています。

--- 社員構成はどのようになっていますか。


構造計画研究所  弊社は東京に本社がありますが、熊本構造計画研究所のほか、関西、九州、名古屋などにも支社があり、 現在、あわせて約600名の所員が勤務しています。留学生や、シンガポールで採用した外国籍の社員が約50名おり、全く日本人と同等の立場で業務に就いているほか、女性の所員も約3割、技術者として勤務しています。この多様性が生み出す力も、弊社の「強み」と言えるかもしれません。



 

コロナ禍だからこそお客様から必要とされるリモートサービス

--- 昨年来のコロナ禍の影響はありましたか。


 人と会って話をする機会を設けることが難しい状況にはなっていますが、一方でお客様から必要な仕事を提供している点を評価いただいており、現在のところそれほど業務への影響は出ていません。
 むしろ、このコロナ禍の状況だからこそ、お客様に求められ、問い合わせが増えている当社のサービスもございます。たとえばSendGrid(センドグリッド)というメール配信システムは、大量メール配信が可能なクラウドベースのサービスです。対面の営業などが制限される中で、マーケティング活動を効率的に行うことができます。
 また、世界初のWi-Fi型スマートロック「RemoteLOCK(リモートロック)」は、インターネット経由で複数の鍵を一元管理できるサービスです。暗証番号で鍵を開けることができ、その暗証番号はクラウド上で管理するため、現地に移動して設定したり、鍵を持ち運んだりする必要もありません。人の移動が制限される今日のコロナ禍にあっても簡単に利用ができ、鍵の紛失・盗難・複製のリスクも低減されます。
 ほかにも、工場やインフラ設備などの大規模空間をWebブラウザ上で再現できる3次元デジタルデータを提供する「NavVis」も注目が高まっています。人々の移動や出張が制限される中、遠方の施設に直接出向かなくても状況が確認できるため、こちらも時代の要望に沿ったソリューションになっています。
 これらのサービスがお客様に評価され、売上も伸びている状況です。

--- 最後にメッセージをお願いします。


 株式会社構造計画研究所は技術コンサルティングの組織として、お客様に高い付加価値を提供する組織であり続けたいと思っています。弊社の持っている多様性と柔軟な組織体制、そして何よりも、お客様あっての技術コンサルタントだという自覚を持ち、今後も高い付加価値を提供できるように頑張っていきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 
※2021年2月17日インタビュー当時の内容をもとに構成しています。

 
構造計画研究所
服部正太(はっとり・しょうた)氏 1982年東京大学大学院修了、1985年マサチューセッツ工科大学大学院修了、同年ボストンコンサルティンググループ入社。1987年構造計画研究所入社。1991年取締役。2002年代表取締役社長。2019年代表執行役社長。

関連サービス

動画インタビュー一覧へ