NIKKEI Media Marketing

近畿大学/図書館

導入事例 Case Study
中央図書館事務部 レファレンス課<br />
係長 谷口 甲二 氏、近藤 明子 氏

『日経テレコン』『日経BP記事検索サービス』を
論文・レポート、就職対策に活用

近畿大学

中央図書館事務部 レファレンス課
係長 谷口 甲二 氏
   近藤 明子 氏

導入しているサービス
  • 日経テレコン(教育機関向け)
  • 日経BP記事検索サービス

 近畿大学は、大正14年(1925)創立の大阪専門学校と、昭和18年(1943)創立の大阪理工科大学を母体として、昭和24年(1949)、新学制により設立され、現在は13学部48学科を有し、卒業生47万人を超える総合大学です。建学の精神である「実学教育」を実践し、「クロマグロの完全養殖」「バイオコークスの開発」など実社会に還元できる多彩な研究をおこなっています。さらに平成28年には「外国語・国際系学部(名称未定)」の開設によりグローバル人材の育成を目指しています。

利用環境・利用状況についてお聞かせください

 学内のネットワーク上だけでなく学外からのリモートアクセスも可能にしています。

 操作説明の講座で学内ネットワークからのアクセスを紹介すると、「自宅からの利用」について毎回質問があります。学外からアクセスするにはSSL-VPN(暗号化通信)のプラグインをインストールするため、その手順に関する問い合わせも多いですね。

 毎月データベースごとの利用状況を確認していますが、日経BP記事検索サービス(以下「BP記事検索」)については、かなり利用が増えています。導入時は閲覧に記事数の上限を設けていましたが、今は拡大して閲覧できるようにしたことが大きいと思います。

 データベースの中では日経テレコンが最も人気がありますが、経営学部や経済学部など学部によっては「新聞記事を引用してレポートを書きなさい」と課題を出している教員のいることが影響しているかもしれません。

利用者教育について教えてください

 春と秋に図書館主催の情報検索ガイダンスを実施しています。その中で日経テレコンとBP記事検索については、日経メディアマーケティング様にも講師として協力してもらっています。

 今春は全学年を対象にレポート・論文の作成を目的としたガイダンスを実施しましたが、秋には就職活動・企業研究を目的としたガイダンスも計画しています。

 データベースの講座では、取得した情報の利用範囲など著作権について必ず説明しています。

 日本経済新聞をクオリティペーパーとする教員も多く、学生に対して日経テレコンの操作説明を希望するケースも多いですね。操作説明後、データベースを使った課題を出されるようです。

 日経テレコンは同時アクセスが無制限なので、課題を出すにしても利用しやすいと思います。

近畿大学の象徴的な西門(18号館)

データベースに対するご意見・ご感想をお聞かせください

 日経テレコンで検索後すぐに見出しが表示されない点は、学生にとってわかりにくいようです。

 例えばOPAC(蔵書検索)でキーワード検索をすると、結果が一覧で表示されます。日経テレコンは結果件数しか出ず、どこに検索結果が出たのか戸惑うことがあります。直観的に気づきにくいため、[見出しを表示]ボタンをクリックすると説明する必要があります。

 企業検索については、もう少し収録社数を増やして欲しいですね。大企業だけでなく非上場企業を調べる学生も多いので、その時に日経テレコンに収録されていれば役立ちます。

 BP記事検索については「業界動向ウォッチ」が使いやすいと思います。

 講座では「近畿大学」を検索例とすることがありますが、キーワード検索をすると全文検索になりますが、「業界動向ウォッチ」から「大学・産学連携」とたどっていくことで、必要な情報が固まって表示されます。企業の情報を調べたいときにも有効です。

 講座では、CiNii(※1)も良く利用するのですが、BP記事検索との連携でダイレクトに記事を表示できるのもありがたいですね。

 (※1) 国立情報学研究所/学術論文情報を検索の対象とする論文データベース・サービス

学生のデータベースに対する成熟度はいかがですか

 入口(アクセス方法)を教えてあげれば操作は問題ありませんが、ひとつのキーワードで調べて、それで終わりという学生が多いですね。「連想ゲームのようにキーワードを頭の中で変えてみよう」とアドバイスしますが、なかなかそこまでいきません。「キーワードを変えるとヒット件数が異なるよ」と教えますが、キーワード検索の落とし穴を意識しないまま使い続けている気がします。

 日経テレコンに新しく追加された「ナビ型記事検索」は、自分で思いつかないキーワードを候補として表示するので広く情報を見ることができます。残念なのは収録期間が「記事検索」メニューに比べ直近3年(※2)と短い。 "最近の情報を調べるなら"という前置きをして「ナビ型記事検索」をすすめています。

 BP記事検索は「雑誌の表紙で探す」方法などリンク機能が充実しているため、学生は興味がもちやすいです。

 たくさんの雑誌が収録されていることが魅力ですが、一方で学生にとっては馴染みが薄い雑誌もあります。たとえば、「日経ビジネスアソシエ」なども社会人になれば読む人も増えますが、学生が読むことは少ないと思います。日経の雑誌に掲載されている内容を知らないので、データベースを使い込むところまでいかない。取得できる情報など雑誌の特長を説明すると、他のデータベースに比べ、関心を持つ学生は多いと感じます。

 (※2)ナビ型記事検索については、今後対象期間を増やす予定です

図書館として拡充していきたいテーマを教えてください

 本学では、近年英語教育に注力しており、学内では使用言語は英語のみという施設「英語村」を設置するほか、全学的なネイティブ教員による英会話授業の実施、語学センターでは英語以外の言語も含めた課外講座を展開しています。

 平成28年(2016)4月には新たに「外国語・国際系学部(名称未定)」の開設を構想しています。

 図書館でも英語の多読を目的として「オックスフォード・ブックワームズ・リーダース」などの「英語学習用図書」を借りに来る1年生が非常に多くなりました。毎年4月には何百人も「リーダースはどこですか?」と聞きにきます。こういった流れを受け、図書館もe-bookやタブレット利用などグローバル化、ICT化に向け変わらなければいけないと感じています。

 レファレンス課としては、レポートの書き方の具体的な解説に力を入れています。

ネイティブスタッフが常駐し学内留学ができる英語村E3[e-cube]写真

 「レポートの書き方」というタイトルで講座を開くと、参加者が多いことから、高校までの作文や感想文とは違う"レポートを書く"とはどういうことか、戸惑っている学生が多いと感じます。

 従来の講座ではデータベースの説明など情報収集の仕方がメインでしたが、もう少し踏み込んで、アカデミックな作法に従って"表現する"ということを重視した利用者教育に取り組みたいと考えています。

 図書館の電子化も大きなテーマですね。データベースを含め、電子化資料をもっと使いやすく工夫していかなければいけないと感じています。また、学生に対する教員の影響力は大きく、学生は教員から言われると図書館に足を運びます。

 今後は教員が学生に対しどのような課題を出しているか、図書館をどう活用するよう伝えているか、ニーズ調査をしながらさらに連携を深めたいと考えています。

(日経MM情報活用塾メールマガジン7月号 2014年7月28日 更新)

プロフィール

大学名 近畿大学
創立 1943年
所在地 大阪府東大阪市小若江3丁目4-1
学生数 53,214人(2013年5月現在)
学部 法学部、経済学部、経営学部、理工学部、建築学部、薬学部、 文芸学部、総合社会学部、農学部、医学部、生物理工学部、工学部、産業理工学部、短期大学部
Webサイト https://www.kindai.ac.jp/