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山口大学

導入事例 Case Study
大学支援センター・就職支援部 教授 平尾 元彦 氏

キャリア教育、就職支援に『日経テレコン』を活用

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大学教育機構 大学支援センター・就職支援部
教授 平尾 元彦 氏

導入しているサービス
  • 日経テレコン(教育機関向け)

 山口大学は長州藩士が創設した私塾「山口講堂」を起源とし、2015年に創基200周年を迎えた、日本で3番目に歴史のある国立総合大学である。「地域に貢献しつつ、世界に羽ばたく総合大学」をめざし、産学連携や知的財産の活用、地域貢献事業、グローバル人材交流などで次々と新しい試みに挑戦する、地域大学のフロントランナー的存在だ。学生のキャリア形成や就職に対しても多様な支援システムを持っている。

社会や仕事への好奇心を持つ「きっかけ」に期待

『日経テレコン』導入の経緯について教えてください

 今は簡単にネットから情報が取れる時代です。その半面、デメリットもあり、学生はただ一つ答えを得られればそれで満足してしまい、情報の信憑性や背景、理由といったことには関心を持ちたがりません。だから、思考の範囲が狭く、応用がきかず、自ら問いを立てることができない傾向にあります。企業情報についても、就職支援サイトに載っている浅い情報で満足してしまう。さらに言えば、社会に対して関心がない。関心がないから何も知ろうとしないので、先に進めないのです。あるとき学生に「経理って何ですか?」と聞かれて驚いたことがあります。その学生などは会社組織についての情報に触れたことがなければ、経理業務があることも知らなかったのです。

 そこで、まず、社会や仕事への興味を持ってもらうことのきっかけとしてデータベース『日経テレコン』を導入しました。私自身、古くから『日経テレコン』のユーザーでしたから、その優位性は分かっていました。キャリア教育の一環として、データベースから得られる新聞記事を深く読み解く訓練をすることで、社会に関心を持ち、自分の進路を選択する力や就業する力を身につけるようにしたのです。

課題レポート作成に新聞記事の「活用」義務づけ

具体的にはどのように利用しているのですか?

 キャリア教育のカリキュラムは1年次と3年次に組まれています。私が担当する3年次の授業は、課外教育の新聞の読み方講座、『日経テレコン』活用講座と連動しています。

 キャリア学習の目標は「キャリアの理論と実践力を身につける」「経済・社会の理解と実践力を身につける」「社会人基礎力を身につける」です。私はこのなかでも、とくに二番目の「経済・社会の理解」を重視しています。つまりは"世の中"学習です。業界のこと、会社のこと、仕事のことなどを広く理解する力を身につけて、ビジネスマインドを養うのです。

 キャリア教育の最後に課題レポート「ビジネストレンド」を提出させますが、学生はこのレポート作成の際に『日経テレコン』を活用します。レポートは好きな業界をテーマとし、業界が抱える課題とその対処方法を探ることで、ビジネスへの理解を深めることを目的としています。この業界研究の一つの手法として、新聞記事の活用を義務づけているのです。新聞記事を活用した情報収集の方法を学び、個々の事例から動向を推測する方法論の習得に取り組みます。調べた情報にリアリティーを持たせるため、年間多数の企業の方を招いて研究会を開いています。

実際、就職活動の面接では「気になるニュースは何ですか?」と聞かれます。そこで求められている答えはたまたま紙面で目にして気になったニュースではなく、普段から問題意識を持って気にしているニュースです。このレポートの作成を通じて、気になるニュースから"気にするニュース"を見出してほしいのです。

日経テレコン活用講座

入力方法から具体的指導、「検索マインド」醸成めざす

学生は使いこなせていますか?

 多くの学生は検索条件を絞り込む方法を知りません。ですから、検索方法も具体的に指導しています。たとえば、地方のスーパーなどは企業名だけではうまくヒットしない場合がありますが、業界や業態も一緒に検索ワードに並べればヒットする確率が向上します。逆に、大企業の場合は企業名だけでは情報が多すぎて、選択に困ります。そこで、次のような絞り込み検索を教えています。

  • 人事除外検索 「○○銀行 not 会社人事」
  • 決算除外検索 「○○化学 not 決算数字(決算)」
  • 本文抜き検索 「☑本文 のチェックをはずす」見出しのみを表示
  • 文字数検索  「○○製作所 and zl=1000:5000」

知りたい情報にすぐに行きつくとは限りませんので、このように検索方法を指導し、キーワードをあれこれ試しながら、芋づる式にアプローチをする方法を身につけるよう指導しています。そうすることで、「これもある、あれもある、もっと検索したくなる」マインドが醸成されるようになるのです。

まずは志望企業の発掘、「面接・討議」対策も

「いざ、就職活動」となったときはどんな使い方をしていますか?

 まずは志望企業の発掘です。これには「じぶんワード」を用意して、「専門用語検索」「仕事検索」で会社を探します。専門用語の場合で言えば、たとえば「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」、「アズレン(化合物のひとつ)」など、自分の研究分野の専門用語で検索します。あるいはもっと一般的な「ストレス」でもいい。「ストレス」で検索をかけると、一見関連性のないように見える電機メーカーがヒットしたりして、知見が広がります。

 山口大学には公務員・教員を目指す学生が多いため、採用試験の際の論文やグループディスカッションで使えるように「問題意識検索」も行っています。今、社会で問題になっていることや話題になっていること、たとえば「空き家問題」「東京オリンピック」などです。「社説」は多様な意見にもとづきながらも新聞社の視点が明確ですので、論文対策には最適です。そのほか、一般企業の面接に備えて「社長名 and インタビュー」で検索すると、インタビュー記事からその社長が考えている経営方針などリアルな情報が得られます。

 こうした授業の効果が現れた一つのエピソードがあります。ある学生が就職面接の最後に、人事担当者から「何か(当社に対して)質問はありませんか?」と問われたそうです。そこでその学生は、『日経テレコン』で検索した記事のことを思い出し、「ライバル会社が新規事業に乗り出すようですが、御社はその事業についてどうお考えですか?」と質問したところ、「君、よく知っているね」と感心されて話が盛り上がり、それまでの劣勢を巻き返し内定が取れた、ということがありました。

「新聞を読む力」通じ「自ら問いを立てる力」磨く

あらためて学生に求めることはなんですか?

 『日経テレコン』はあくまでもツールです。キャリア教育や就職活動には非常に有効なツールですので、効果的に使いたい。ただし、それだけではダメなのです。一つ言える重要なことは、「『日経テレコン』の本当のすごさは新聞を読んでいないと分からない」ということです。

 新聞を読んでいない学生は、見出しから中身が推測できません。つまりどれが重要な記事なのか分からないのです。ですから、まずは新聞を読むことから始めるのが重要です。新聞を読ませるモチベーションアップのため、目標として「日経TEST」を受けるように推奨しています。

 新聞に慣れてきたら、冒頭述べましたように、「自ら問いを立てる力」を身につけさせることに重点を置きます。そのために、『日経テレコン』で情報を収集させ、情報を深掘りさせるのです。こうした学習の繰り返しによって、この記事から何が分かるのかといった「新聞を読む力」が養われ、さらに、何を調べれば記事に書かれている内容が深掘りできるかという「自ら問いを立てる力」が磨かれていきます。

 いずれ社会へ羽ばたく学生たちには、世の中に役立つ人になるための力が必要です。『日経テレコン』はその力を養う大切なツールとなります。自らのキャリア形成に、このツールをどのように使っていくのか。私自身も日々模索しながら、今後も大いに活用していきたいと思います。

山口大学キャンパス

本日は、貴重な時間を頂戴いたしまして、ありがとうございました

(日経MM情報活用塾メールマガジン10月号 2017年10月23日 更新)

プロフィール

大学名 山口大学
創立 1815年 長州藩士・上田鳳陽が私塾「山口講堂」創設
所在地 山口市吉田1677-1 (吉田キャンパス)
学生数 学部学生数8,702人 大学院学生数1,511人(2017年 5月現在)
学部 人文学部、教育学部、経済学部、理学部、医学部、工学部、農学部、共同獣医学部、国際総合学部
Webサイト http://www.yamaguchi-u.ac.jp/

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