NIKKEI Media Marketing

大阪大学

導入事例 Case Study

『大学ブランド・イメージ調査<Baby版>』で
他地域でのイメージを把握~ブランディングを再定義

大阪大学

クリエイティブユニット・広報課
准教授 伊藤 雄一 氏 
    柿木 俊也 氏

導入しているサービス
  • 大学ブランド・イメージ調査

 大阪大学は、1838(天保9)年に緒方洪庵により設立された適塾を原点とし、また、大坂町人により設立された懐徳堂(1724(享保9)年 設立)の精神を受け継ぎ、1931(昭和6)年、わが国6 番目の帝国大学として創設された。2007 年10 月に大阪外国語大学との統合を経て11 学部、16 研究科からなる総合大学として、現在に至る。「地域に生き世界に伸びる」をモットーに、研究大学として世界屈指の大学へと変革していくとともに、高い倫理観を有した優れたグローバル人材を育成し、22世紀も輝き続ける大学を目指す。

※2013年8月作成「大学におけるデータ活用事例~ブランドの価値向上を目指して~」より。

おふたりの役割・担当業務についてお聞かせください

 (伊藤氏)大阪大学クリエイティブユニットというセクションで学内向けには映像メディアや広報誌「阪大NOW」や学内向けポータルなどの情報媒体編集、学外向けですと公式ウェブサイトやロゴなど、大学のブランディングやメディアのトータルディレクションをしています。
そして他部署から「この情報をどう見せたら良いか」という相談のコンサルテーションを担当しています。

 (柿木氏)私はそれらの活動を、事務部門である広報課として日々支えています。
学内の折衝、学外からの提案やお問い合わせの窓口と交通整理を行います。
大阪大学ブランドをどう見せていくかという作業では伊藤准教授と連携しています。

「大学ブランド・イメージ調査」をお知りになったきっかけ・導入の目的は何でしたでしょうか

 日経グループがいろいろな調査をしていることは知っていますし、全国大学サイト・ユーザビリティ調査ではお世話になっていましたので、この調査も前から知っていました。

 大阪大学は国立大学の、一流といわれる大学ではありますが、それにあぐらをかいていて良いのか?という思いが学内にありました。
世間からどう見られているのかを客観的に見るのはなかなか難しいことです。自分たちで考える大学像は、関西に居る人間としての像であるわけで、関東の人はどうなのだろう?たとえば「阪大」が通じるのか?「大阪大学」がどんな大学か知られているのか?ということは、把握しにくいわけです。

 大阪大学は、いわば「一流の地方大学」の状態じゃないのか? という見方もありましたので、そこを一度きちっと定義したいと思ったわけです。
この調査結果を通じて、関東の有識者の方々の中で、どういう位置づけにあるのかを知りたいというのが、一番大きな目的ですね。

そこが、他の地域でのデータが得られる「大学ブランド・イメージ調査 」 をお選びいただいたポイントでしょうか

 そうです。上層部も首都圏での大阪大学のイメージに関心がありましたので。
われわれも想像の範囲内でしか学内に伝達できなかった時に、このBaby 版を紹介いただきました。
自由記述では率直なコメントもありましたので、役立ちました。

導入してみての印象と、各項目のスコアについてはいかがですか

 予想通りでしたね。本学を知っている人は「東大・京大に次ぐ大学だ」といった感じで知っているし、関東だと知らない人も多いし、という結果ですね。

 もっと低いスコアの項目もあるかなと思っていましたが、それなりの認知と評価を得ていました。
関東では関西ほどの評価を得られないなというのも改めて感じたところです。

 阪大としてはここが売りだ、と思っていた部分が案外伝わっていなかったですね。
たとえば本学は「地域に生き世界に伸びる」ことをモットーとしていますので、「地域産業に貢献」や「社会文化に貢献」のスコアが低かったりすることは、実体があまり伝わっていないのかなという感じがしていますが、そういう伝わっていないという部分がきちっと把握できたので良かったですね。
「語学に長けている」も、2007 年の大阪外国語大学との統合によってトップ校だと自負していますので、もっと伝えていきたいポイントです。

結果を踏まえて取ったアクションはございますか

 このデータを用いて、各学部等の広報担当者に対して学内の「広報ネットワーク会議」の場で報告し、『阪大のブランドはこうである』ということを再定義して通知しました。
「University=College の集合体」であるわけですから、押し付けはしませんが、個々の学部では認識にブレが出ているケースもあるかと思います。その後に取ったアンケートでは「活動がやりやすくなった」との意見が出ています。
さらに国際・広報戦略会議という執行部も出席する会議において「阪大ブランドの分析」という題目で調査結果の分析による大阪大学ブランドと、ブランディングの方法論について報告いたしました。

 大阪大学がどういう立ち位置にあるか、ということを、学部や研究所といった教育・研究の現場そして執行部それぞれに共有してもらったわけです。

 阪大が強みと思っている、「歴史・研究・教育・人」といった項目に、もしネガティブな印象を抱いている層や人がいるのであれば、そこは払拭していきたいですね。
大学全体の知名度を、関東でもアップさせていくことも肝心と考えています。
僕の担当する範疇ですと、大阪大学はとても自由闊達な大学ですので、何かのデザインをする際にも学生が自由に伸び伸びと学んでいる感じのイメージを取り入れたりしています。

創立100 周年を迎える2031 年には、研究型総合大学として世界で10 指に入ることを目指していらっしゃいますが

 世界をリードする大学を目指す、とした場合に、必然的に世界で10 指に入る意気込みじゃないとだめだろうということです。

 阪大はそれぞれの分野で世界トップレベルのことをやっていますが、横のつながりを強化すべく、「未来戦略機構」を作ることでいろんな分野のトップレベル研究者を束ねて進化させるというアクションを取っています。
ロボット学と人文学を組み合わせるなど、まさに研究型の総合大学としての活動を強化しています。

プロフィール

大学名 大阪大学
創立 1838年
所在地 大阪府吹田市山田丘1番1号
学生数 約23,562人
学部 人間科学部、文学部、外国語学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、基礎工学部
Webサイト https://www.osaka-u.ac.jp/

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