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導入事例

導入事例 Case Study
宮田重雄氏

世界トップシェアを支える
資材調達先の信用調査

株式会社フジミインコーポレーテッド

生産管理部 資材調達課 資材調達係 宮田 重雄 氏

導入しているサービス
  • 日経テレコン

 半導体等に使われる超精密研磨材の世界シェア90%を誇るフジミインコーポレーテッド。ナノレベルの表面加工技術でPCやスマホなどのあらゆるデジタル製品の小型化、高性能化を支えている。資材調達部門では、高品質な製品を安定供給するために、原材料調達先の信用調査に日本経済新聞社の「日経テレコン」の格付変更通知メールを利用している。

ナノ技術と独自のフィロソフィーで世界トップシェアに

 1950年に軍事用望遠鏡などのレンズを磨く研磨材からスタートしたフジミインコーポレーテッドは、一貫した企業哲学と世界最高水準の表面加工技術で、シリコンウエハー、半導体デバイス、ハードディスクなどの超精密研磨材のリーディングカンパニーの地位を築き、東証1部にも上場している。主力の半導体分野では、半導体ICを0.000001mm(=1ナノメートル)の精度で磨く研磨材を世界中の半導体メーカーに提供し、一部製品群で世界シェア90%。

 「スマートフォン、医療機器など様々な精密機器で使われる半導体、コンピューターなどのハードディスク、デジカメのレンズ、メガネなど、皆さんが日々使っている製品の中に、インテルのように、フジミ入ってる、正確には使われています。」(宮田氏)

 「どこでも通用する研磨材というものはないのです。お客様のニーズを汲み取って、それに合致する製品をいち早く作ることが必要」と話す宮田氏から、フジミインコーポレーテッドの継続的成長の背景にある、お客様とのコミュニケーションを大事にするものづくりへの姿勢が窺える。

サプライヤー100社の信用調査を定常的に

 工場で研磨材製品を作るための原材料の調達を担う生産管理部 資材調達課では、サプライヤーの新規開拓、評価・管理を担っている。世界のトップシェアを占める企業として、お客様ごとのニーズに合った製品を高品質で安定供給するために、原材料調達先の倒産や社会的問題で、原材料供給が止まり、生産に悪影響を与えるようなことがあってはならない。「日々の業務の中ではなかなか見えてこない部分があるわけですね。そこで外部の企業情報を利用してサプライヤーの信用調査を行っています」と、宮田氏はその必要性を語る。

 「以前は、年次更新や月次更新の海外の企業情報や国内の有料企業情報を使って信用調査をしていました。前任者が『日経テレコン』のリスモン(リスクモンスター企業リスク格付の通称)が、随時更新であること、さらに調査内容の割に安いことを聞きつけ、同じ調査をした場合のコストシミュレーションをした結果、コストダウンにもなることもわかったので『日経テレコン』に切り替えました。」(宮田氏)

リアルタイムの資材調達先管理で顧客満足も向上

 2011年1月に「日経テレコン」に「金融工学研究所企業リスク情報」「AGS企業リスク格付」「リスクモンスター企業リスク格付」の評価・格付に変化が生じた際にメールで通知する「格付変更通知メール」が追加された。フジミインコーポレーテッドが利用する「リスクモンスター企業リスク格付」は、総合商社の管理部門で培われた与信ノウハウを用い、統計に裏付けられた倒産予測をA、B、C、D、E1、E2、F1、F2、F3の9段階の格付として提供するもので、日々見直しが行われる。この格付の見直しを見逃さないようにプッシュ型で通知してくれるのが「格付変更通知メール」だ。

 「格付変更通知メール」のリリース以降、フジミインコーポレーテッドは、資材調達先1,000社超のうち、倒産などによって供給が止まると工場の生産に直接インパクトを与える主資材の供給元、100社強について、同サービスを利用し、評価・格付けが変わった場合に詳細レポートを出力してチェックする運用をしている。

 「『格付変更通知メール』がリリースされてからは、100社強のサプライヤーを登録して管理しています。1企業・1データベースを登録するのに200円/月かかりますが、毎月その1割の企業に変更が発生するかしないかなので、残りの約9割について1件800円かけて詳細レポートを出力する必要がなくなりました。『格付変更通知メール』がリリースされる前は、人手やコストの問題から、倒産リスクの高いところは毎月、倒産リスクの低いところは半年に一度、中程度は四半期に一度とルールを決めて、調査レポートを出力していましたが、いくらリスクが低くても、半年の間には大きく変動する可能性があります。『格付変更通知メール』を利用してからは、従来のコストで、リアルタイムでサプライヤーの信用度を把握できるようになりました。社内監査でも、全主資材サプライヤーについてリアルタイムで監視できていると言えるようになりましたし、お客様に対してもご満足いただける説明ができるようになり、非常に満足しています。」と、宮田氏は「日経テレコン」の導入効果を語る。

 「導入当初、改善要望を出させて頂いたのですが、一週間もかからずに直して頂きました。非常に助かったというのと、対応のレスポンスの速さに感心しました。」とのお言葉も頂いた。

より安定した資材調達に向けて

 震災後、BCPの観点からも、災害に強い資材調達がより強く求められている。お客様のニーズに合わせたカスタマイズ製品がフジミインコーポレーテッドの強みでもあるが、購買部門としては、信用ランクが低くても技術をもったサプライヤーから調達せざるを得ない、特定のサプライヤーからしか調達できない原材料が存在するという問題も抱える。サプライヤー全体の信用ランクの分布にも目を配りながら、ひとつの原材料に対して、複数の調達先を確保するために新規調達先開拓を進め、より安定した原材料調達、より安定した製品製造を目指している。

企業プロフィール

企業名 株式会社フジミインコーポレーテッド
事業内容 超精密人造研磨材の製造販売
代表者 関 敬史
本社所在地 〒452-8502 愛知県清須市西枇杷島町地領2-1-1
資本金 47億53百万円(2013年3月31日現在)
従業員数 連結783名・個別568名(2013年3月31日現在)
Webサイト https://www.fujimiinc.co.jp/