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大成建設

導入事例 Case Study
渡辺公平氏 内田大介氏

営業ポータルサイトを活用し、
"情報武装集団"に変身

大成建設株式会社

営業推進本部 営業推進部 主事 渡辺 公平 氏
             課長 内田 大介 氏

導入しているサービス
  • 日経スマートクリップ

※2015年2月取材当時の内容を掲載しています。

 大成建設はスーパーゼネコン(大手総合建設会社)5社の一角を占める。超高層ビル、開発事業、ダム、橋梁、トンネル、地下鉄などの大規模な建築・土木工事を得意とし、連結売上高は1兆5,000億円を上回る(2014年3月現在)。

 大成建設の会社キャッチコピー「地図に残る仕事。」は、日を追ってワールドワイドに拡がり続ける。

ゼネコンは昔のゼネコンならず

 ゼネコンは昔のゼネコンならず――渡辺公平氏、内田大介氏お二人の話を聞いているうちに、こんな思いを強くした。太宰治の小説『彼は昔の彼ならず』の書名に借りた感想である。ひと昔前のゼネコンの営業はGNN(義理と人情と浪花節)が幅を利かす世界だった。受注情報の収集、契約の折衝・交渉は昼の時間帯で足らず、夜の小料理屋にまで及ぶのが当たり前だった。それが、である。ゼネコンの最前線の営業担当者は今や、"情報武装集団"に変身した。

 「当社社員約8,000人は共通ポータルサイトを利用しており、グループ企業全体での展開も徐々に拡大し、約18,000人が利用している(2015年2月現在)。当社営業社員約1,200人は、共通ポータルサイトとは別に、部門の業務ポータルサイト『営業ポータル』が閲覧できる。情報活用の側面から連結経営の強化に役立てたい」(内田氏)という。

 「営業ポータル」を実際に見せていただいた。TOP画面の最上段には「日経ニュースクリップ」のテロップニュースが流れる。ゼネコン大手5社に関する新聞記事の見出しが流れ、見出しをクリックすれば記事の詳細が読める。

 画面横には、「日経ニュースクリップ」のタグがある。クリックすると、別ウインドウが開き、「建設大手5社」に加え、受注の発掘に役立つ市場の新聞記事が分野別に表示される。「日経テレコンKnowledge Passport(以下、KP)」を活用した情報サービス画面である。幅広い産業界の最新の動向を伝える新聞記事を読むことができる。新聞記事の配信時刻は朝6時15分。営業担当者の"情報武装"は出勤前から始まる。

日経ニュースクリップ

現在はスマホ向けにも、営業に有益な記事情報を発信

 「営業ポータル」のTOP画面で大きなスペースを占めるのは「最新のお知らせ」だ。営業本部内で必要な各種の告知情報を表示する。研修、セミナーの予定を知らせるコーナーもあるが、「サイトの肝は『顧客情報』画面」(内田氏)である。「顧客情報」画面には、個々の営業の担当企業一覧が載っている。検索ボタンを使えば、担当以外の企業も出る。収録企業数は工事発注先、協力業者、資材購入先などを含め約7万社にも及ぶという。

 個別の企業概要画面は「基本情報」「受注情報」「企業NEWS」欄などで構成されている。KPが活用されているのが「企業NEWS」欄である。予め登録したキーワードで検索して集まるニュース、新聞記事、人事情報・訃報などを表示している。

 2011年からガラケー(ガラパゴス携帯の略。スマートフォンが登場する前の普通の携帯電話)向けに「日経ニュースクリップ」を配信した。現在は、スマートフォンでより閲覧しやすくなっている。これは、前線の営業担当者らの間から「外出先で営業先のニュース、記事情報を見ることができれば」との声が多く上がっていたことがきっかけだ。 営業情報の発信は外出先へ、現場へと広がる。

営業ポータル

コストパフォーマンスに手応え、将来に備える

 大成建設が「KP」を導入したのは2002年。以前は、ニュース・新聞記事を他社の類似サービスで利用していた。しかし、営業担当者が各自で記事の取得希望を出すため、同じ記事が重複課金されるなど、コスト面で負担が大きかった。また、即時必要な企業情報は別部門への依頼だったため、手間がかかり不満が出ていた。

 「KP」を導入した後は、コストパフォーマンス(費用対効果比)で手応えを感じているという。異動で他部署から営業に移ってきた人にもすぐに利用できるポータルサイトの構築を目指している。

 同社の営業は業種を複数、担当する。営業関連情報の収集アンテナは広く、高く張っておかなければならない。「今は建設需要が旺盛で、受注も順調に増えている。しかし、需要が落ち込んだ時が問題。逆風下に情報が豊富な『営業ポータル』が威力を発揮すると期待している」(渡辺氏)と語る。山内隆司社長(15年4月1日から会長)は昨年末、日本経済新聞の紙面で、「東京五輪後に市場が縮んでも勝ち残れるようにする」と語った。「営業ポータル」の拡充、活用の促進は経営トップが訴える将来への備えの一端でもある。

検索キーワードを常時、見直し、更新

 渡辺氏、内田氏は「日経ニュースクリップ」の検索キーワードを常時、見直し、更新している。カウンターで日々、「営業ポータル」のアクセス人数、クリック件数を把握している。サイトの中身の拡充、利用促進への思いは熱い。それだけに内田氏は、「KP」に対して記事媒体のさらなる充実を希望している。

 ゼネコンは単純な建築、土木工事の請負会社ではない。オフィスビルを受注する際には、入居予定者が少なければ自らテナント探しもする。ビルや再開発の情報化、耐震、環境保護の相談にも乗る。「ゼネコンはコンサルティング機能を高めなければ、生き残っていけない」(渡辺氏)。大成建設の"情報武装"に弾みがつきそうだ。

(日経MM情報活用塾メールマガジン2月号 2015年2月23日 更新)

企業プロフィール

企業名 大成建設株式会社
事業内容 総合建設業
代表者 山内 隆司
本社所在地 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 新宿センタービル
資本金 112,448百万円
従業員数 7,951名
Webサイト https://www.taisei.co.jp/

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