NIKKEI Media Marketing

北九州市立大学

導入事例 Case Study

『大学ブランド・イメージ調査<カスタマイズ版>』で
”強み”を把握、将来ビジョン策定へ

北九州市立大学

経営企画課 課長 江島 広二 氏

導入しているサービス
  • 大学ブランド・イメージ調査

 公立大学法人北九州市立大学は、1946年に設立した小倉外事専門学校を起源とし、現在は「北方」「ひびきの」の2つのキャンパスに5学部1学群4研究科を擁する総合大学である。開学当初から、自主的で開拓者精神に満ちた個性豊かな社会人の育成を基本理念としている。
2011年4月に始まった現在の第二期中期計画では、「地域に根ざし、時代をリードする人材の育成と知の創造」を目標に掲げ、教育研究、学生支援、地域貢献などのさらなる充実を目指している。

カスタマイズ調査を選んだ理由をお聞かせください。

 認知度向上のため、さらに大学の"強み"を出すことが目的でした。

 公立大学にとってブランドは課題ですが、本学でも中期計画において、大学のプレゼンス向上が重要な柱のひとつに位置づけられています。

 語学教育、地域貢献活動、環境技術開発の成果などの特長を国内外へ発信し、認知度向上に取り組んでいますが、その中で本学の置かれた状況を客観的に把握するための資料として、「大学ブランド・イメージ調査」を参考にしています。「大学ブランド・イメージ調査」については、4年ほど前から購入しています。九州地方の大学ブランドに関する調査が他になかったこともありますが、九州地区だけでも55校、全国では470校の国公私立大学がカバーされており、調査対象の多さが決め手となりました

 ただ、パッケージされている大学ブランド・イメージ調査は地域ごとのデータです。本学は、地域から外れるライバル校も含めてピックアップし、学校単位だけでなく各学部単位で比較するため、カスタマイズ調査を選びました。

結果をご覧になっていかがでしたか。

 全体平均値に近い結果が出たことは事前の想定に近いものでしたが、詳細を見ると項目ごとに強い部分と弱い部分がはっきりとわかりました。

 平成21年度にできた地域創生学群は、特色ある地域貢献活動を教育として行っており、一般選抜でも倍率が10倍を超える人気の高い学部です。ところが、調査では社会一般の認知度はそれほどではなかった。大学や高校といった受験界と、社会一般の認知が違うということを実感しました。実態として強みである面が「うまく伝わっていない」という現実を数値として把握できるため参考になりました。

 本学との「近さ」と認知度やイメージの相関についても、わかりやすくまとまっていますね。

 「親類や友人・知人が卒業した」など何らかの関わりのある層は自由記載欄でも非常に肯定的にとらえており、認知経路も「友人・知人」とする回答が多く、人を媒体とするコミュニケーションの重要性を再認識する結果となりました。

北方キャンパス

調査データを今後はどう活用されていく予定ですか。

 学内のメンバーで組織している「認知度向上プロジェクト会議」において、現状把握や今後の方針を考えるうえで議論の参考にしています。平成28年度に予定されている創立70周年記念事業をひとつの良いタイミングとして、認知度向上の取り組みが本格化しています。企画段階での参考資料として、また取り組みの成果を測る指標としても活用したいと考えています。

 周年事業というと、従来は記念誌の作成など「振り返り」が主な事業になっていました。70周年というより、100周年を見据えたうえで、将来のビジョンを強く打ち出していきたい。具体的な活用についてはこれからの話になりますが、日経メディアマーケティングには「認知度向上ブランド戦略」として、カスタマイズ調査の他、イメージロゴ制作などもお願いしました。

ひびきのキャンパス

 いまは「大学として発信すること」「どこを重点化するか」についてデータを基に再整理しているところですが、その一環としてイメージロゴや将来ビジョンを踏まえたコンセプトブックの制作などを行っています。若手の「教員」と「事務職員」が一緒になって取り組むブランディング検討ワーキンググループを設置し、各自が持つ異なったイメージを共有し、すり合わせていくことから始めました。

 ここで出た意見をビジョンやロゴマークの制作に活かしています。現在では学生数で女性が2%ほど男性を上回っているにもかかわらず、まだ「バンカラ」というイメージを持つ人が少なくありません。ロゴの変更などで本学のイメージが変わるのではと期待しています。

そのほか、認知度向上の施策をお聞かせください。

 大学広報としては、平成24年11月から、北九州モノレール「北九州市立大学号(ラッピング列車)」が運行しています。モノレール沿線住民やJR小倉駅利用者など市内外へ向けて大学をPRしています。また、「北九大魅力発信プロジェクト」と題し、在学生が本学のPRを行うプロジェクトがあります。高校生にキャンパス内を案内する「キャンパスツアー」や、学生生活や受験体験談を語る「パネルディスカッション」などを実施しています。

 「北九州まなびとESDステーション」では、本学が代表校として北九州市内全10大学と地域社会が連携する実践活動を通じて、次世代を担う人材を育成しています。地域や企業、大学での活動を循環させ、それぞれの事業を互いに交流させることで新たな価値を生み出し、地域の活性化を目指しています。

 こういった活動の成果も表れています。全国737の4年制国公私立大学を対象に日本経済新聞社が実施した大学が人材や研究成果をどれだけ地域振興に役立てているかを探る「地域貢献度」2013年調査では、総合ランキング全国7位(公立では1位)にランクインしました。今後も「世界」「地域」「環境」の3つをキーワードとし、将来に向けて発信していきます。

小倉駅を走る北九州モノレール<br />
北九州市立大学号(ラッピング列車)

(日経MM情報活用塾メールマガジン6月号 2014年6月23日 更新)

プロフィール

大学名 北九州市立大学
創立 1946年
所在地 北九州市小倉南区北方4丁目2番1号
学生数 6,561人(2014年5月現在)
学部 外国語学部、経済学部、文学部、法学部、地域創生学群、国際環境工学部
Webサイト https://www.kitakyu-u.ac.jp/