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青山学院大学

導入事例 Case Study
教育人間科学部 准教授 野末 俊比古 氏<br />
学術情報部図書課 主任 西村 香 氏

データベースを活用したコンテストを通して
学生の図書館利用促進と情報活用能力向上

青山学院大学

教育人間科学部 准教授 野末 俊比古 氏
学術情報部図書課 主任 西村 香 氏

導入しているサービス
  • 日経BP記事検索サービス

 2004年から日経BP記事検索サービス(キジケン)を活用している青山学院大学。図書館で、キジケンをはじめとするデータベースサービスを学生のみなさんに使ってもらおうと企画されたのが「情報の探索と表現コンテスト」です。担当者の西村さんとイベントに全面協力した野末先生にイベント実施の経緯や効果についてお聞きしました。


※2015年1月取材時の情報を掲載しております。

データベースを活用したイベント「情報の探索と表現コンテスト」を始めた経緯を教えてください

西村氏:発端は、教育人間科学部の野末先生の授業です。図書館で導入しているデータベースサービスを使って記事を作るという課題を出しているのを知って興味を持ちました。学生のみなさんが楽し そうにその課題に取り組む姿を見て、図書館にもできることがあるのではないかなと。実は、図書館の担当になって初めて図書館でさまざまなデータベースが使えることを知ったのです。学生も知らない方が多い。「こんなに便利なものがあるのに使ってもらわないのは損だ」と感じていたところに野末先生の授業を知り、データベースを使ってもらえるキッカケになると思って、図書館主催のイベントとして2012年に第1回目を実施しました。

野末氏:授業は、ネット時代に欠かせない情報活用能力の向上を狙ったものです。西村さんが授業を見てイベントにしたいという話だったので協力させてもらっています。今回は3回目です。使えるデータベースにキジケンを加えました。複数のデータベースを使って情報を集め、個人もしくはグループで雑誌記事を作る部門や記事に英語の見出しをつける部門で作品を募集しました。

キジケンを対象に加えたことでどのような効果がありましたか

西村氏:キジケンは使いやすい上に日本語なので、学生にとってはデータベースを使い始めるハードルが下がったと思います。作品数も過去最多になりました。

野末氏:今回はキジケンを含めて複数のデータベースを使えるようにしたことで、作品にバリエーションが出ました。情報収集では、一つの情報源だけに頼るのではなく、複数の情報源を手繰って確認するのが大事ですよね。その面では期待通りの成果が出ました。さらに、キジケンをはじめ日本語のデータベースを加えたことで、作品の文章がしっかりしてきました。すごく良かったと思っています。

今回のイベントを実施して他に効果はありましたか

野末氏:先生と図書館の距離が近くなったのが大きいかなと思います。

西村氏:コンテストに共同で取り組むことで、先生方の図書館への理解が深まったり、積極的にアイデアを出していただいたりしました。野末先生のほかにも授業で課題にしてくださる先生も出てきています。加えて、学部の先生方が図書館で契約しているキジケンなど日本語のデータベースに目を向けてくださるようになりました。

野末氏:先生によっては専門分野の電子ジャーナルに詳しい一方で、学生が多く使う日本語のデータベースについては知らないこともあります。今回の取り組みで、図書館の活動に目を向ける先生が増えたのも効果といえるでしょう。

西村氏:図書館でコンテストの受賞作をまとめた冊子を作っているのですが、成果として目に見えるものがあるので、図書館の活動に注目していただき、関心も持っていただけるようになりました。

野末氏:当初の目的だった学生の情報活用能力の向上についてはもちろん成果があったと思っています。今回作品を提出した学生のほかにも課題に取り組んでいた学生は多くいました。これを機にデータベースを使うようになった、という学生は多くいるはずです。

キャンパス写真

第3回「情報の探索と表現」コンテスト

 今大会は青山学院創立140周年行事として、「日本の知らない世界、世界の知らない日本」をテーマに実施。2014年10月1日~24日に作品を受け付け、応募総数は53作品(のべ参加人数は75名)にのぼりました。

 応募部門は個人部門(日本語区分・英語区分)、グループ部門(日本語区分・英語区分)のほか、データベースからひとつの記事を選び、オリジナルの見出しを英語でつけ、その記事を取り上げた理由を短い英文で説明する英語見出し部門(個人)の計3部門。コンテスト実施にあたり、10月2日に説明会も開催しました。「雑誌記事の作り方-日経BP社の雑誌を題材に-」と題し、日経BP社のネットワーク技術専門誌「日経NETWORK」の記事などを題材に、記事執筆時に必要な視点・要素、ネタの探し方・見つけ方、記事のまとめ方などについて元編集長を務めた講師が説明しました。説明会には20名の学生が参加し、終了後には講師に多くの質問が寄せられました。

 大賞のほか、理事長賞、大学長賞、短大長賞、各データベース提供社賞などが設けられ、表彰式は2014年12月10日に行われました。

(日経MM情報活用塾メールマガジン2月号 2016年2月8日 更新)

プロフィール

大学名 青山学院大学
創立 1874年
所在地 東京都渋谷区渋谷4-4-25
学生数 18,825人(2015年 5月現在)
学部 文学部、教育人間科学部、経済学部、法学部、経営学部、国際政治経済学部、総合文化政策学部、理工学部、社会情報学部、地球社会共生学部
Webサイト https://www.aoyama.ac.jp/