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導入事例

導入事例 Case Study
入試・広報戦略室 部長 岡田 英幸 氏

改革断行の成果がイメージ評価に結実

広島経済大学

入試・広報戦略室 部長 岡田 英幸 氏

導入しているサービス
  • 大学ブランド・イメージ調査

 「戦略的定員割れ」――。2017年に開学50周年を迎える広島経済大学が、2013年度から取り組んでいる入試改革の基本方針だ。地方の私立大学ではあまり例のない取り組みだが、教職一体となって大学教育の本来の姿を取り戻すことを目指している。
 「戦略的定員割れ」は、定員確保のための入学試験ではなく、予め設定した水準をクリアした者だけが合格し、入学できるという考えに基づいている。その背景には、少子化に伴う18歳人口の減少による受験者数の減少、競争倍率の低下がある。かつてのような「定員ありき」では大学が求める教育水準に満たないレベルの学生までをもいずれ合格させる恐れが生じることが避けられないからだ。

 一方、2016年12月には、実社会で通用する人材を育てる「自由なアイディア創造空間」として、地上10階建て、総床面積11,648平米のアカデミック・コモンズ「明徳館」を竣工。さらには、カリキュラムを根本的に見直す教育改革も並行して進められている。
 一連の改革の中で日経BPコンサルティングの「大学ブランド・イメージ調査」が、どのように位置づけられ、どんな役割を果たしているのか。入試・広報戦略室の岡田英幸部長に伺った。

「戦略的定員割れ」を中心とした大学改革の概要を教えてください

「戦略的定員割れ」とは、入学者数が定員を割り込んだとしても、予め設定した合格点に到達した者だけを合格とする入試制度です。例えば、2013年度入試では400点満点の試験で、合格ラインを前年度より70点引き上げた学科もあります。開学以来、入学者が定員を割り込んだことはありませんでしたが、改革元年である2013年度の定員に対する入学者率は91.6%。2年目は78.0%、3年目は77.6%まで落ち込みました。

 実は、教育改革には2006年から取り組んでいましたが、現在では入試改革によって確保した学力のある学生のニーズに応えるということも目的として加わっています。本学は伝統的に教職協働の気風が強く、カリキュラムの見直し会議には理事長が指名した教員16名、職員14名がメンバーとして参画しました。改革の内容は専門科目の見直しに加え、英語授業の週5日化、「自己理解系科目(日本の歴史、地理、宗教、政治、憲法)」「他者理解系科目(他国の思想、宗教、文化、歴史、精神など)」の選択必修化など。これまでのように教養科目として単に幅広い選択肢を用意するのではなく、グローバルな時代において互いの違いを尊重し合うために必要な知識を選んで身に着けさせます。

 同時に、出席管理システムや進級・試験評価の厳格化、再試験制度など、教育システム全般の見直しも行いました。

 この結果、2016年度の受験者数は前年対比10%増で、入学者数も10%増でした。さらに歩留まり率は前年対比12%増。思い切った改革が成果につながり、大変うれしく思っております。

具体的な教育改革の内容は?

 「入門」「基礎」「発展」「応用」という学びやすい科目配置に加え、人間力向上を目指した「興動館教育プログラム」を構築し、学業以外の社会で必要な力をつける仕組みを作ってきました。

 特に学生がチームで企画から実行まで取り組む「興動館プロジェクト」は、「インドネシア国際貢献プロジェクト(フェアトレード活動)」「子どもたちを守ろうプロジェクト(近隣小学校のガードボランティア)」「カフェ運営プロジェクト(学内のカフェを学生だけで運営)」など内容が多彩です。

 学校側は会議で採択したプロジェクト1つあたり最大1,000万円の資金を提供しますが、教員は最低限のサポートをするだけで、手取り足取り教えることはしません。当然多くの失敗をしますが、PDCA(計画実行評価改善)サイクルを通し、問題を解決し、課題を乗り越えるスキルを学べます。

 本学では3回生(3年生)になると、ゼミの教員とキャリアセンターの職員が2名体制で就職活動をバックアップします。就職率は常に全国平均や県内平均を上回っており、進路が把握できない学生はおりません。改革元年に入学した学生たちによる2016年度の就職活動も、昨年を上回る成績で推移しています。年間108コマの公務員対策講座は、2016年から1万円で受講が可能になりました。

 これらの手厚いサポート体制とともに、学生時代における能動的な体験も就職を後押ししていると考えています。

経営の根幹を揺るがしかねない「戦略的定員割れ」の導入には、反対もあったのでは?

 はい、石田恒夫理事長から提案があった当初は、賛否両論が飛び交いました。しかし、2008年度入試の段階で、本学の受験者に対する合格者の割合は7割近くまで上がっていました。入学者の学力低下も深刻化していたため、このままでは大学教育が成り立たなくなる日が来るという危惧があったのです。

 ただ、本学の持つ教職一体の気風は改革の後押しとなりました。就職活動のサポート体制などは教職員に対する負担も伴いますが、2015年から利用を始めた日経BPコンサルティングの「大学ブランド・イメージ調査」の結果も、スタッフの気持ちを支えています。これは国内各地域、のべ457大学が、その地域の父母や、教育・研究関連従事者からどのように評価されているのかを数値化する調査ですが、国公立を含む中国・四国主要59校の中で、本学は9位にランクインしております。特に、「コミュニケーション能力が高い」「キャンパスに活気がある」「面白みがある」という項目で1位に挙げられました。まさに我々が「興動館教育プログラム」を通して育みたかったものが、社会で評価されていることに、大きな喜びを覚えます。

目指す大学の姿をお教えください

 本学のコンセプトは「Be Student-oriented(すべては学生のために)」。学生が本学を飛び立った後に社会で活躍するためには、能動性という能力が欠かせません。アクティブラーニングの場として新設した「明徳館」は、全室ガラス張りで、あらゆる環境における議論やプレゼンテーション能力を高める環境が備わっています。これらの設備とともに教職一体となった体制で、必要な能力をさらに高めて社会に送り出してあげたいですね。就職活動で大切なことは、就職率だけではありません。学生の希望に沿う「オーダーメイドの就職」を心がけていますが、入試改革や教育改革による学生および大学への評価の底上げによって、よりフィット率を上げていけたらいいなと考えています。

大学キャンパス写真

本日は、貴重な時間を頂戴いたしまして、ありがとうございました

(日経MM情報活用塾メールマガジン2月号 2017年2月6日 更新)

プロフィール

大学名 広島経済大学
1907年(明治40年)に設立された石田学園を母体とする広島経済大学は、1967年(昭和42年)に中国・四国唯一の経済専門大学として創立された。以来、「和を以て貴しと為す」という建学の精神のもと、社会に貢献できる優秀な人材を数多く送り出している。経済学部1学部の中に5学科を設置し、「ゼロから立ち上げる」興動人の育成を教育目的に掲げ、社会で求められる「人間力」を重視した、先進的な教育を展開している。
創立 1967年
所在地 広島市安佐南区祇園5-37-1
学生数 2,842名(2016年5月現在)
学部 経済学部
Webサイト http://www.hue.ac.jp/