導入事例|ワタキューセイモア|日経テレコン Knowledge Passport

 ワタキューセイモアは、病院・医療、福祉施設などのリネンサプライ事業を中心とする、業界のリーディングカンパニーだ。リネンサプライ事業とは、寝具類やタオルなどのリネン類の洗濯・クリーニングを含め、リースするというもの。現在は、リネンサプライ事業にとどまらず、ワタキューグループとして、医療、福祉、介護、給食、薬局、人材紹介、建設など幅広いサービスを提供することで、医療・介護施設の複数業務を一括して受託する。同社は、非上場ながらもグループ会社は約40社、スタッフ約8万人という規模で事業を展開している。



 <ワタキューグループ主要会社>
 ワタキューセイモア株式会社/日清医療食品株式会社 
 綿久リネン株式会社/株式会社フロンティア 
 株式会社メディカル・プラネット/古久根建設株式会社
 

経営環境の変化への対応に必要不可欠な情報共有

 医療・福祉業界には現在、事業に大きな影響を及ぼす大きな要因として、医療保険制度・社会保障制度、税制改正の動向、社会問題となっている国の少子高齢化対策などが挙がっている。実際、これらの制度改革に関連した規制緩和や新たな政策に対応して、業界自体の再編や新規参入が目まぐるしく展開しているのが現状だ。ワタキューセイモアも、M&Aなどでグループを拡大してきたが、変革期にある医療・福祉業界の情報をいかにきめ細かく収集し、共有していくかが大きな課題であった。

 グループ会社は北海道から沖縄まで全国的に展開しているため、日々の重要な情報を見逃すと、グループ全体の事業計画に支障を来す場合もある。しかし、従来の情報共有の手法はアナログなもので、新聞記事を切り貼りしたものを必要に応じて回覧する程度であった。本部各部門、支社・支店など個別に主要新聞を購読。業界新聞・雑誌は部門ごとに必要なものを購入していた。経営企画室では、「日経テレコン」を数名が利用していたが、全社に向けての情報共有や情報発信はほとんどなかった。特別な場合は総務人事本部より記事の収集をPR会社に依頼することもあったが、経営環境の変化が激しい現在では、スピーディーな情報収集・共有は不可欠。著作権をクリアし、限られた予算内で、しかも少人数で効率的に、つまり低コストでいかにその手法を実現するかが課題となる。そこで、これらの条件を満たすツールとして導入に踏み切ったのが、「日経テレコン Knowledge Passport」(以下、KP)であった。

日経テレコン Knowledge Passport」導入で実現した、高い費用対効果

 ワタキューセイモアには広報室がなかった。非上場でB to Bの業態のため、特に投資家や消費者など、社外に向けての広報の必要性が低かったのだ。しかし、企業の成長とともに情報発信の必要性は日に日に高まり、本部組織再編の際に広報室の立ち上げが決まった。これが「KP」導入のきっかけとなる。そして、その広報室を任されたのが、当時CSR推進室室長であった森本氏だった。

 「広報室を立ち上げた当初から、私も含めて他業務を兼務しているスタッフの2人体制で、マンパワーにも限界がありました。広報室の重要な役割の一つに、情報収集とグループ内での情報共有がありますが、たった2人で複数の新聞・雑誌をチェックしてクリッピングするのは、とても非効率な作業でした」

 森本氏は、以前東証一部上場企業で広報業務の経験があり「KP」を活用していた。「その会社では、朝9時出社のところ、広報部員全員が7時過ぎに出社することが慣例化していました。それは、役員に提出するための業界情報を、毎朝部員全員でクリッピングしていたからです。とても無駄な時間だと思いましたし、労務管理的にも問題があります。そこで、キーワードで自動的に情報収集が可能な「KP」を導入したのです。結果、必要な情報収集の作業は一気に効率化され、定時前の時間外労働はなくなりました」

 この経験を活かし、広報を2名体制で行うことになった今回も、森本氏は情報収集・共有のためのシステムが不可欠だと考えた。その際、すぐに頭に浮かんだのが、「KP」だった。

 「もっとも、社内では広報室自体が新しく立ち上がったばかりでしたから、情報収集とその共有にコストがかかるという概念があまりありませんでした。複数の新聞・雑誌を読み込むことは、広報担当者として大変重要なことではありますが、クリッピングに関してはスピードが求められます。社内を説得するために、この作業に対する人件費、かつその同じことを全国の各部署で行っているという重複作業による非効率性を計算し、これらの労働コストに対して「KP」を導入することが、いかにコストパフォーマンスに優れているかという点を説得したのです。理論立てて説明すれば誰もが納得します。このやり方が功を奏し、すぐに導入が決まりました」(森本氏)

広報が毎日5~10記事をピックアップ、効率よく情報共有

 「KP」はワタキューセイモアの他、グループ会社内主要3社に導入された。情報検索する新聞は、日本経済新聞朝刊・夕刊・地方経済面、日経産業新聞、日経MJ、日刊工業新聞、毎日新聞に絞り、基本テーマを「自社関係(グループ会社、関連業界団体含む)」、「同業他社・主要取引先」「時事・政策関連」の3つに設定。その他、営業企画・新規事業の部門用のテーマ、主要グループ会社用のテーマなど、経営に必要な詳細テーマも設定した。その結果、毎日100件ほどの記事が自動的にクリッピングされるようになり、その中から広報室が「注目記事」として、毎日5~10記事をピックアップする体制をとった。

 支社・支店担当者や本部の各部門担当者は、毎朝自社のイントラネットをチェックすると同時に、自動でクリッピングされたこれらの情報に目を通すことになる。さらに、気になる記事は「日経テレコン」にアクセスし、より詳細な情報を収集できるようにした。

グループ会社の一体感を醸成するためにも活用

 近年、医療・福祉業界では、病院グループを大規模に経営している法人や地方の法人が、人口の多い都心エリアに向けて、介護施設を新たに展開するケースが目立ってきた。それに伴い、病院や介護施設向けの新サービスを発表する企業の情報量も増大し、また、多種多様化してきている。

 「これらは、日々の営業活動には欠かせない情報です。従来の新聞記事の切り抜きでは対応しきれなかったところもあったと思いますが、「KP」の導入により、市場開発室のスタッフも、情報が絞り込まれているので読みやすく、医療専門紙と併用することで、法人への営業活動に役立っていると言っています。また、経営トップに対しては、社員向けのニュースとは別に重要ニュースを配信しています」(牧野氏)

 さらには、従来のアナログ方式では不可能な、グループ間の情報収集も可能になった。「本部からの情報発信に対し、各グループ会社からも情報が送られてくるようになりました。これまでは、地方のグループ会社まで情報を把握するのはなかなか困難でしたが、今ではグループ会社のイベント情報や社員のスポーツの功績まで、さまざまな情報が寄せられています。弊社のようにM&Aで拡大してきた会社は、グループ各社のそれぞれの企業文化があります。そのため、グループとしての企業文化をどう浸透させ、トップの意向をどう浸透させるかが大きな課題です。その意味でも、グループ各社の情報を共有することは、必要不可欠であり、今後も情報発信の主体である広報の責任も、ますます重くなっていくと思います」(森本氏)

 今後は、さらにテーマを部門別、業務別と細分化したり、事業承継問題等の経営環境の変化に即したキーワードを見直したり、将来的には、病院や介護施設等の拠点で働くスタッフ用の専門端末を導入し、リアルタイムで記事情報を配信できるようにするなど、「KP」の機能をフル活用していきたいとのことだ。

(日経MM情報活用塾メールマガジン3月号 2015年3月23日 更新)



企業プロフィール

企業名ワタキューセイモア株式会社
事業内容医療機関(病院等)・福祉施設向けサービス業
代表者安道 光二
本社所在地京都府京都市下京区烏丸通高辻下る薬師前町707 烏丸シティ・コアビル
資本金4,850万円
従業員数10,927名
Webサイトhttp://www.watakyu.co.jp
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