導入事例|野村ホールディングス|日経テレコン Knowledge Passport

 野村ホールディングスは、グローバル金融サービスを提供する野村グループの持株会社だ。主要な子会社、野村證券を中心に「すべてはお客様のために」を経営ビジョンに掲げ、証券業界のリーディングカンパニーとして大きな存在感を発揮し続けている。2015年3月には、2020年に開催される「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」で、証券カテゴリー唯一のゴールドパートナーに決定。日本の経済成長や社会の発展にも大きな貢献を果たしている。

きめ細かいコンサルティングが野村の営業スタイル

 2008年9月に端を発したリーマンショックを契機に、国内外での再編が加速した証券業界。国内でも外資系企業の買収や銀行による証券会社の系列化が進み、プレイヤーの顔ぶれは大きく変化した。しかしこの変化の中で、依然としてトップを走り続けているのが野村證券だ。

 同社の競争力の源泉が強力な営業体制にあることはよく知られている。しかしそのスタイルは、多くの人が古くから持っている「証券営業」のイメージとは大きく異なっている。「すべてはお客様のために」というビジョンのもと、顧客の声をきめ細かく聞きながら、株式の売買のみならず、お金に関する幅広いコンサルティングを行う存在になっているのだ。

 「私どもの使命はお客様の大切なお金を預かり、お客様のニーズに合わせた最適なポートフォリオ(資産構成)をご提案することにあります」と語るのは、グループ広報部でエグゼクティブ・ディレクター 兼 企画課長を務める吉田氏。最近では、営業担当者が株式や保険などの金融商品の紹介はもちろんのこと、相続や事業承継に関する相談を受けることも多いと説明する。「お客様はそれぞれ異なる家族構成やライフプランをお持ちです。お客様の話をよく聞き、ライフプランに合ったきめ細かなコンサルティング営業を徹底して行うことで、お客様からの信頼を獲得していきたいと思っています」。

 そのために欠かせないのが「情報」だ。その中には、顧客に関する情報や金融商品、各種サービスに関する情報も含まれるが、「新聞などのメディアに掲載された情報も大きな意義を持っています」と、グループ広報部 企画課 課長の近藤氏は指摘する。「"金融は情報産業"という言葉もありますが、お客様のニーズに応えるために、世の中の動きを迅速かつ広範に把握することは不可欠です。新聞記事はそのための重要な情報源なのです」。

電子配信の著作権問題をKnowledge Passportのグループ包括契約でクリア

 業務に必要な情報を共有するため、野村ホールディングスでは以前から、新聞記事をクリッピングしてグループ内で共有するという取り組みが行われている。2003年までは、広報部の担当者が毎朝記事を目視で選別し、紙面をスキャンしてPDF文書に変換、これをイントラネットに掲載していた。しかし新聞記事の電子配布に関する著作権の問題が浮上、一時はイントラネットへの記事掲載をやめてしまおうという議論も巻き起こったと言う。

 この問題を解決する手段として野村ホールディングスが採用したのが、日経テレコン Knowledge Passportだった。2004年にはこのサービスに関するグループ包括契約を締結、イントラネットへのクリッピング記事掲載の継続が可能になったのである。「社内はもちろんのこと、国内外で活動する野村グループ全体の情報共有も視野に入れると、クリッピング記事共有におけるイントラネットの活用は必須条件です」と近藤氏。電子媒体による共有情報の提供は、スピーディかつ的確なタイミングでの情報伝達に大きな貢献を果たすと指摘する。

 グループ包括契約は、会計処理上のメリットも生み出している。野村グループは2001年12月のニューヨーク証券取引所上場を機に、SEC基準による明確かつタイムリーなセグメント別管理会計が必須となったが、日経テレコンの契約を野村ホールディングスのIT統括部に集約することで、グループ全体の経費やビジネスライン毎の配分を明確化しやすくなったのだ。

 キーワードベースで自動的に記事の選別を行うAutoClipの活用に加え、現在でも、目視による記事選別は続けられていると言う。これは、キーワードだけではヒットしなかった記事も、漏らすことなくクリッピングするためだ。例えば新聞記事に登場する野村證券の役員やOBの肩書が、「野村證券」以外の名称で紹介されることもあるが、野村グループの社員はこのような記事も知っておく必要がある。まずAutoClipで自動的に記事を選別し、さらに目視でチェックすることで、記事選別の精度と効率を高めているのである。

グループ全体で共有すべき記事を広報の視点で日々選別

 「日経テレコンで配信されているコンテンツは、野村グループ全体で共有すべき、重要なリソースです」と吉田氏。野村グループの社員たるもの、日経各紙の購読は当然のことだとも指摘する。しかし時間的な制約から、全ての記事に目を通すことが難しいことも少なくない。イントラネットへのクリッピング記事掲載は、日々忙しく活動を行っている社員を支援する上で、重要な役割を果たしていると言う。

 選別されている記事の数は、毎日30~40程度。記事へのアクセスは社内のPCはもちろんのこと、社外からもイントラネット専用タブレット等によって行える。営業担当者はタブレットを1人1台持ち歩いており、移動中など外出先でもクリッピング記事を参照することが可能。

 記事選別の基準は、「広報の視点からグループ全体で共有すべきニュースだと判断したもの」。選ばれる記事は、一面掲載のトップ記事から小さな囲み記事まで多岐にわたっており、野村グループに関する記事、金融業界に関する記事、同業他社の動向、注目すべき社会動向等が、クリッピング対象になっていると近藤氏は説明する。「この季節(取材を行ったのは2015年3月)はやはり、新卒採用に関係する記事が多くなります。今年は賃上げもメディアの注目を集めました。時代の流れや時事的な話題をきちんとフォローし、常識として知っておくことも、野村グループの社員として当然のことだと考えています」。

 クリッピングされた記事は実際に、野村グループ全体で積極的に活用されている。もちろんグループ広報部でも日常的に活用されている。特に金融業界や野村グループで大きな動きがあった時には、的確な対応を行うための情報源として、重要な役割を果たしていると言う。「イントラネットのクリッピング記事は、空気のように"あって当たり前"のものになっています。これがなくなったら、日々の業務にも支障を来たすのではないかと思います」(吉田氏)。

社員同士の一体感を生み出すツールとしても重要な役割果たす

 クリッピング記事のイントラネット掲載は、グループ全体の一体感を生み出すツールとしても役立っている。特に海外拠点の社員からは、日本のメディアで報道された記事をタイムラグなく共有できる手段として、高く評価されている。また野村ホールディングスでは、多様な社員の能力や個性を最大限に活かす「ダイバーシティ」の取り組みも積極的に推進しており、様々なバックグラウンドや価値観を持つ人々が働いているが、このような社員が協働によって価値を生み出す上でも、クリッピング記事の共有は大きな意味を持っていると言う。

 現在は日経各紙の日本語記事がクリッピングされているが、これら以外の新聞に掲載された記事や英文記事のクリッピングは、別の手段を用いて行っている。「理想的なのは必要なコンテンツに、ワンストップでアクセスできるサービスです」と吉田氏。日経テレコン Knowledge Passportとイントラネットの組み合わせなら、このようなことも容易に実現できるはずだと言う。

(日経MM情報活用塾メールマガジン4月号 2015年4月23日 更新)



企業プロフィール

企業名野村ホールディングス株式会社
事業内容持株会社
代表者グループCEO 永井 浩二
本社所在地東京都中央区日本橋1-9-1
資本金5,944億円9,300万円
従業員数132名
連結従業員数27,670名
Webサイトhttp://www.nomura.com/jp/
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