導入事例|野村証券|POS情報を活用するアナリストの視点

野村證券は野村グループの中核である証券業務を担う国内最大手の証券会社だ。海外での知名度も高い。営業力の強さで定評があり、金融業界では「営業の野村」とも呼ばれる。2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)でも群を抜いて多い口座数を獲得中だ。「営業の野村」を支えているのが「調査・情報の野村」である。野村が発信する企業・投資情報、内外の経済・景気情報、高度な分析情報に対する機関投資家、個人投資家、同業他社の注目度は高い。

日経テレコン・POS情報で「売れ筋」「商品シェア」を把握

「調査・情報の野村」のDNA(遺伝子)は健在。食品関連業界(メーカー・卸・スーパーなど)を担当するアナリスト、皆川良造氏は、「会社の将来性と現在の株価水準のギャップ(格差)を説明するのがアナリストの仕事の一つ」と話す。一例としてキユーピーの昨年来の株価の動きを取り上げた。キユーピーは13年7月、原材料価格の高騰に対応するため、主力商品であるマヨネーズの値上げを実施し、その後の数量減の影響で6~8月期の決算では調味料事業が苦戦し減益となった。決算内容を受け株価は下落したが、この株価の動きにレポートで"異論"を唱えたのが皆川氏だった。

推移「値上げの影響は一過性。マヨネーズの売れ行きはすぐ元の状態に復し、株価も早々に戻るだろう」。皆川氏のレポートの骨子はこんな内容だったという。皆川氏の読みは当たる。競合する味の素がキユーピーに1カ月遅れてマヨネーズを値上げすると発表したことも手伝って、その後数量は回復、シェアも元の水準に戻った。

「レポート作成の支えになったのが日経テレコン・POS情報だった」と皆川氏は振り返る。キユーピーのマヨネーズの売れ行き状況をPOS情報で刻々と把握し、株式市場が強く懸念したほどに売れ行きが鈍っていないことを確認していたからである。「仕事柄、各社の商品ごとのシェア、新商品の売れ行き、値上げの影響などを把握する必要があるが、定量的に確認する術(すべ)はPOS情報しかない」とも話していた。

皆川氏は食品メーカーの業績動向を捉えるうえでは、商品戦略、コスト戦略、海外展開などが重要になると考えている。商品戦略を捕まえるうえでのポイントを2つ挙げた。「商品の値上げを発表した後にきちんと値上げが浸透しているか、シェア(市場占有率)に変化は生じていないか」、「既存・新商品の売れ行きがどうなっているか」の2つである。「2つのポイントを的確、迅速に確認できるのが日経テレコン・POS情報」とその効用を明かす。皆川氏はPOS情報を活用し、ビール類、ヨーグルト、カレー、カップ麺(めん)、菓子類などの売れ行きも克明に追い続けている。「POS情報は新商品の初動データ(市場に投入した直後の売れ行き)を掴(つか)むのに便利」とも話す。
POSデータだけでなく、日経テレコン・POS情報の記事クリッピング機能で業界動向や個々の企業の動きをウォッチングしている。キーワードは「商品名」と「企業名」だ。皆川氏の目から担当企業の動きが漏れることはない。

情報の収集には自らの足、目、舌も駆使

「日経テレコン・POS情報を使うようになって仕事の効率が良くなった」とも。以前はご本人と、アシスタントが手分けして様々なルートを通じ各種食品の売れ行き情報を収集していた。従来使っていたテレコン標準版の「POSランキング」 (注1)では時系列分析ができず、毎週、データを収集・保存する必要があり、作業効率が悪かった。このため、時に作業が深夜に及ぶこともあったという。それが、今では「帰宅途中にスーパーに立ち寄る時間的な余裕が生じた」そうだ。

皆川氏はスーパーの店内に入ると、食品陳列棚を素通りすることはない。何がどれぐらいの幅で陳列してあり、いくらで販売しているのかを子細に観察する。実際に商品を購入し、調味料などであれば、自宅の厨房に立ってそれを使って料理をつくることもあるそうだ。奥さんから"良き主夫"の評価を得ているかどうかは聞き逃したが、味の違いを自分の舌で知るのに努めている。独自の視点を織り込む皆川氏の企業レポートにはPOS情報と、自分の足・目・舌を駆使して集めた情報がうまく融合しているのではないかとも想像した。日経テレコン・POS情報を利用するきっかけはアナリストレポートのユーザーである機関投資家の人からの薦めがあったからという。

「日経テレコン・POS情報に新しい流通ルートとして存在感を増しているドラッグストア・ディスカウントストアのデータがあったらいいのに」、「操作性を改善してEXCELとの連携などを考えて欲しい」...。皆川氏の要望、注文は情報収集・分析に対する熱意の表れでもあった。



注1)ビジネス総合データベースである「日経テレコン標準版」は、コンテンツのひとつとして、直近の売れ筋商品ランキング(大分類)を提供しています。一方、「日経テレコン・POS情報」、小分類単位や時系列などの詳細なPOSデータをご提供するサービスです。

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(日経MM情報活用塾メールマガジン2月号 2014年2月24日 更新)



企業プロフィール

企業名野村證券株式会社
事業内容証券業
代表者永井 浩二
本社所在地東京都中央区日本橋1-9-1
資本金100億 (2013年9月30日現在)
従業員数13,236名 (2013年9月30日現在)
Webサイトhttp://www.nomura.co.jp/
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