導入事例|キッツ| 日経スマートクリップ office

 バルブ業界のリーディングカンパニーとして、高品質なブランド「KITZ」を国内外で供給しているキッツ。アジアにおいてはバルブ専業メーカーとしては最大手である。バルブは上下水道、ガスなどの身近なところから、石油、化学など工業分野まで、なくてはならない重要な役割を担っている。しかし、ここ数年、新興国の経済成長率鈍化や原油価格の下落により、経営環境は激しく変化している。キッツではこの現状を踏まえ、経営資源を重点市場分野に絞り込むなどの中長期経営計画を策定した。目標達成のためには、現場の営業力のアップは欠かせない。そのための一つのツールとして導入したのが「日経スマートクリップ office (以下スマートクリップ)」だった。

きっかけは「著作権をクリアした記事共有セミナー」参加

 バルブは「流体制御機器」の重要要素で、水、空気、石油、ガスといった様々な流体を流したり、止めたり、流れる量をコントロールする機能を持つ。バルブの起源は古代エジプトの木製コック、ローマ時代の金属製バルブにまでさかのぼるという。以来、機能そのものは現代に至るまでそれほど変わっていない。ただ、流体そのものやプラント設備などの変化により、バルブ自体は時代のニーズとともに進化している。
 たとえば、LNG(液化天然ガス)は地球環境にとって重要なクリーンエネルギーであるが、この流体を制御するバルブは摂氏マイナス196度に耐えられるものでなければならない。超低温の流体でも正確な制御能力を発揮するためには、最新のテクノロジーが必要とされるのだ。
 バルブは暮らしや産業の様々なインフラ整備に欠かすことのできないものである。それだけに、事業領域のフィールドは多種多様だ。現場の営業スタッフはいかに時代のニーズ、クライアントのニーズをいち早く察知するかが大きな決め手となる。そのためには、管理職をはじめ、現場の営業担当者の情報収集能力が大きな課題だった。
 情報収集に関しては、限られた部署でベテラン社員が新聞記事をスクラップし、一部の社員に見せていた程度だった。しかし、今日の情報化社会において、そのようにアナログな方法では、情報量、情報の鮮度などの観点から、とても収集した情報を戦略的に活かすことはできない。必要なのは、海外駐在員を含むキッツグループ全体で、世界の最新ニュースを共有できる環境である。さらに、コンプライアンス上の観点から、ニュースを共有する場合も、著作権を侵害することはできない。
 これらの課題克服に取り組んでいた事業企画部の軍司美和氏は日経メディアマーケティングのスマートクリップを活用した「著作権をクリアした記事共有セミナー」に参加し、その解決法を発見する。軍司氏は「スマートクリップを活用すれば、コンプライアンス上の問題解決はもちろんのこと、営業力強化につながる情報収集ができることが分かり、導入することにしました」と語る。

経営計画に沿った記事をクリッピング、毎日200人に配信

 キッツのクライアントの業種はディベロッパー、工事会社、メーカー、官公庁、商社など多岐にわたるうえ、規模も大小様々だ。また、事業領域拡大のためのM&Aも少なくない。さらに、ここ数年は世界情勢の変化が激しい。昨年のように英国のEU(欧州連合)離脱や米国トランプ大統領誕生のような大きな変化が起きると、為替や原油価格などが大きく変動し、場合によっては経営計画の変更も余儀なくされる。国内を見渡せば、三大都市圏を中心に中核都市にいたるまで再開発は盛んに行われてはいるが、景気の先行き不透明感は否めない。そういったなか、限られたスタッフで、どこを重点的に攻めるか、営業戦略が大きな課題となる。
 「キッツは中長期経営計画で、『建築設備』『石油化学・一般化学』『クリーンエネルギー』に経営資源を集中することにしました。そのため、この中長期経営計画に沿った最新情報を効率的かつ確実に入手したいと考えました。その情報を分析して営業戦略を立てることができるからです。その点、スマートクリップの『テーマ設定による自動クリッピング』を使えば効率的に情報が収集できます。パソコンだけでなく、スマートフォンなどモバイル端末で手軽に見られるのも便利です」と語るのは事業企画部長の増尾宏之氏だ。
 現在、クリッピングされた情報は、経営陣はもちろんのこと、部門長、海外駐在員、マネージャークラス約200人に毎日配信されている。

営業マンの情報力が内外で均一化、見逃しなく収集精度も向上

 営業の最前線では、製品知識はもとより顧客の潜在的なニーズを掘り起こすためのコミュニケーション能力も必要とされる。営業担当者が顧客の元へ足しげく通うのは、顧客が抱えている課題や、今後のインフラ事業への展開などをいち早く察知し、顧客への製品提案や新たな製品開発をする必要があるからだ。
 常に最新情報を持っていないと、顧客のところへ行っても会話が続かない。そのため営業担当者は、営業力強化のためにも、情報力を高め、顧客と先進的な話をする必要がある。しかし、従来は情報収集に関しては個人任せだったため、中には最新情報に関して意識が低い営業担当者もいて、情報の質と量に個人差が出てしまうのも課題だった。また、海外駐在員がどんな情報をどのように入手しているのかも把握できていなかったという。
 「スマートクリップを使えば海外駐在員も含めて営業マンの情報力の均一化が図れるのもメリットです。営業力強化には、的確な情報を収集し活用する情報戦略が欠かせません。そのための最適なツールとしてスマートクリップを活用しています。実際、現場からもニュースがクリッピングされるようになったので、今まで見逃していたような記事も確認できて情報収集の精度も向上しています」(軍司氏)

アクセスログで分析、より効率的なテーマ模索・海外で翻訳も検討

 「キッツにとって最も大切なのは、その情報から将来のトレンドを読み取り、キッツの事業にどう関わりがあるのかを読み取る力です」と増尾氏は話す。
 「世界中の様々な情報が、弊社の事業に関連しています。分かりやすい例で言えば、原油価格は3年前に1バレル=100ドルほどでしたが、今はその半分です。そうなると製造プラントのプロセスを効率的なものに変えなければならず、バルブも変わってきます。また、燃料電池自動車が開発されれば、水素をコントロールするバルブが必要になる。その他、新興国のインフラ整備、国内での地方を含む再開発プロジェクトなど、情報からその先のトレンドを読み取り、ビジネスチャンスをつかむ必要があります。特にインフラ事業は、黎明期に参入しなければ意味がありません。いかに素早く、その情報の先を読み取るかが、ビジネスの勝敗を左右します」(増尾氏)
 キッツは、地方版を含む日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJに加え、オプションで業界紙として欠かせない「化学工業日報」をクリッピング対象としている。増尾氏によれば、様々なコンテンツが利用できるスマートクリップは、ユーザーからの評価も高いという。しかし、クリッピングについては、設定するテーマの数が多すぎると、逆にニュースを読むのが煩雑になってしまうという課題も生じる。今後の情報活用方法について、増尾氏は次のように語っている。
「いつどれだけニュースが読まれたかは、アクセスログで分かるので、それらを分析しつつ、今後のテーマ設定も調整していきたい。さらに、海外では現地スタッフにも素早く情報を流せるように翻訳したものを届けたり、必要な人にピンポイントで情報を届ける工夫もしていきたいと思います」。

(注:上記内容は2017年6月現在のもの)

(日経MM情報活用塾メールマガジン7月号 2017年7月10日 更新)






企業プロフィール

企業名株式会社キッツ
事業内容バルブ及びその他の流体制御用機器並びにその付属品の製造・販売
代表者代表取締役社長 堀田 康之
本社所在地千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目10番1
資本金212億708万4,670円(2017年3月31日現在)
従業員数連結4,597人 単体1,258人
Webサイトhttp://www.kitz.co.jp/
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