導入事例|横浜銀行|日経ValueSearch

 横浜銀行は地方銀行の雄。神奈川県下を中心に国内に610、海外に5の拠点を展開する(2015年8月現在)。利益水準は高く、株式価値を表す時価総額は地方銀行の中でトップ。16年4月に東日本銀行と経営統合する予定で、資金量でもふくおかフィナンシャルグループを抜いて地方銀行トップになる見通し。歴史は古く、東京オリンピック・パラリンピックが開催される20年に創業100周年を迎える。

成長する融資先を発掘し、育成

 金融庁が地方銀行の経営の先行きを心配している。サステナビリティ(存続可能性)への懸念といってもいい。長引く超低金利で、預貸利ザヤ(貸出金利と預金金利の差)が傾向的に縮小し、本業の預貸業務から得る収益が先細りするのではと憂慮しているからだ。人口減少・少子高齢化、地域間格差拡大の影響が銀行に及ぶのはこれからとも見ている。

 一方で、地方銀行には"地方創生"の担い手としての役割が期待されている。長い歴史の中で培った地域に根差した見識の高さ、知見の広さは他を以って代え難い。「地域のお客さまの役に立つことで信頼され、選ばれる銀行になる」「地域の課題に対して金融サービス機能を活用したソリューション(解決策)を提案し、地域社会の発展に貢献する」。寺澤辰麿頭取は横浜銀行のあるべき姿をこう訴える(ホームページからの抜粋要旨)。

 金融サービス機能拡充の最前線に立っているのが融資部である。主任融資役の大井氏は成長する融資先を発掘し、育成する業務に携わる。「キーワードは担保、保証に頼らない事業性評価に基づく融資」(大井氏)である。「経済のマクロの流れを把握し、当該取引先が属する業界の動向を分析し、個々の取引先の成長性を評価、予測して融資する」(大井氏)のが事業性評価融資である。かつて金融機関の間では、「担保さえあれば...」という有担保原則に頼って、ややもすると安易な融資姿勢が散見された。しかし、事業性評価融資は違う。新規・既存の別を問わず、融資先に対しては現状を的確に分析・評価し、将来性も予測する鋭敏な目が求められる。「目利き」でなければ務まらないのが現在の融資担当者だ。

 「『日経ValueSearch(日経バリューサーチ)』はマクロ経済にとどまらず、業界動向を知るのに便利。当該取引先の業界内の立ち位置を知り、評価するのに役立つ」(大井氏)と語る。ちなみに、『日経ValueSearch』は約540の業種分類を切り口に、多様な分析・レポーティング機能を提供している。「IR(投資家向け広報)情報が豊富な上場企業ばかりでなく、当行と取引がない多くの非上場会社のデータもふんだんに取得できる」(大井氏)ことも効用の一つという。「経営に必要なのは三つの目。潮の流れの変化を知る魚の目、広域を立体的に俯瞰することができる鳥の目、地表の微細な動きが分かる虫の目の三つだ(趣旨)」。これはある企業トップの言葉である。大井氏の話はどこかこの企業トップの話と重なる。

尽きない情報拡充への要望

 大井氏の取引先を見る目は細部に及ぶ。「『日経ValueSearch』の財務分析情報も重宝している。ROE(自己資本利益率)が収録されているのは当然として、ROIC(ロイック=投下資本利益率)まで出ているのが便利」と話す。事業性評価には適正な企業価値の算出が欠かせない。「DCF(Discounted Cash Flow=展開する事業や保有する資産が将来にわたって生み出すキャッシュフロー[収益]を予想し、現在価値を算出する分析手法。収益還元法とも呼ばれる)を計算するのに必要なデータが入手できる」「期間を自由に設定し、時系列で各種データを比較してみられる」「実際の審査で『日経ValueSearch』を使っている。恣意性が入り込まず、検証性が高まった」...。大井氏の発言の端々に、『日経ValueSearch』を事業性評価の強力な支援ツールとして、使いこなし活用している様子が伺えた。

 仕事に真摯に取り組む人は業種の違いを問わず、豊富な情報、データを貪欲に希求する。大井氏からも『日経ValueSearch』に対する尽きない要望を聞いた。「業界特有の指標などがあれば、もっと便利。例えば、外食産業のFLRだ」と話す。Fはfood(食材)、Lはlabor(労働者)、Rはrent(店舗の賃借料)のそれぞれ頭文字。外食産業の経営にとって重要な売上高に対する食材の比率、人件費の比率、賃料の比率を示す。飲食業が多い観光都市でもあるヨコハマや温泉地の箱根などを地盤とする銀行ならではの要望と受け止めた。「公表の想定為替レートに加え、社内想定為替レートも欲しい。為替レートが対ドルで1円上下したら、利益がいくら変動するかの情報もあったら...」。神奈川県下に輸出入産業が多いことの反映だろう。「地公体(地方公共団体)の財務データ・指標も欲しい」「介護事業の業種分類も通所介護と訪問介護とに分けたり、自動車・電子部品業界の分類をもう少し細分化したりしたらどうか」...。情報拡充に対する要望は尽きなかった。

地域経済の発展、雇用の創出...

 「融資した資金を返してもらうだけが銀行ではない」(大井氏)。有望な取引先を発掘して起業・創業を支援し、成長性に富んだ取引先へ設備・運転資金を追加供給することも業務のうちと想定しての発言に聞こえた。「『日経ValueSearch』の利用で各種指標の計算、資料作りなどが省力化できた」「加工性にも優れ、経営規模が似通った企業を複数抽出し、目星を付けた会社との比較が多面的、定量的にできるようになった。」「『日経ValueSearch』のデータを基に、同僚らと当該案件を検討、討議する時間が増えた」などとも語る。地域経済の活性化をリードする取引先を探す余力が増えた。

 「神奈川県はマーケットに恵まれている。地域経済の発展、雇用の創出などにも貢献できる仕事をしたい」(大井氏)。大井氏が『日経ValueSearch』を使いこなす場面が増えそうだ。

(日経MM情報活用塾メールマガジン9月号 2015年9月17日 更新)



企業プロフィール

企業名株式会社横浜銀行
事業内容銀行業
代表者寺澤 辰麿
本店所在地神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目1番1号
資本金2,156億28百万円
従業員数4,651名
Webサイトhttp://www.boy.co.jp
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